帝里木下がプエルトリコで挑戦者決定戦「勝つことしか考えていない」

 ボクシングの千里馬神戸ジムは15日、所属のIBF世界スーパーフライ級3位・帝里(ている)木下(30)が来年1月28日、プエルトリコで、前同級世界王者で同級6位のマックジョー・アローヨ(31)=プエルトリコ=と指名挑戦者決定戦を行うことを発表した。同戦の勝者が王者ジェルウィン・アンカハス(24)=フィリピン=への挑戦権を手にする。戦績は帝里が25勝(8KO)1敗1分け、アローヨが17勝(8KO)1敗。

 帝里は14年7月、IBF世界スーパーフライ級王座決定戦で世界初挑戦したが、ゾラニ・テテ(南アフリカ)に判定0-3で完敗。再起後は6連勝し、再びチャンスを得た。

 アローヨは08年北京五輪に出場したアマチュアエリートで攻守に高度な技術を持つ。帝里も「勝率は2~3割」と認める敵地で強敵相手の不利な戦い。

 ランクは上ながらあえて敵地戦を選んだ理由に関し千里馬啓徳会長(59)は「アローヨは1年で3回も防衛戦をやめている。日本に呼んだとしても(きちんと来るのか)信用できない」と説明。さらに、「厳しいけど、勝ったら一段と強くなり世界タイトルを奪う可能性は高くなる」と、帝里をあえて崖から突き落とす作戦だ。

 前回世界戦では何もできぬまま終わった。帝里は悔しさのあまり、映像も写真も見ていない。「海外での試合は初めて。精神的に強くなるには海外で試合がしたいと思っていた。勝つことしか考えていない。不利な状況で勝ってこそ上に行ける。ベルトを取ってもあいつ(テテ)にはやり返したい」と、ここを勝ち、2年半前の屈辱を晴らすつもりだ。

 神戸ポートタワーホテルの社員でレストランのフロアマネジャーを務める。年末年始はかき入れ時で、1月3日までびっしり働く。2日後の17日が31歳の誕生日ながら「誕生日、クリスマス、正月はなし。試合が終わってから」と、言い切った。

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