川口裕“運命の日”に初の王座挑戦
2014年4月12日
「小松というボクサーが1番大好きだった。中学から試合会場で多くのボクサーを見たが、すごいオーラで魅力を感じた」。
競技経験の一切ない1人のボクシングファンと、世界王者を狙う男が赤い糸で結ばれるように意気投合。「何もかも相談してくれる」と言う程、一心同体の関係になった。3歳下の“弟”から「アニキ」と慕われた。
小松さんがエディタウンゼントからグリーンツダにジム移籍する際、「一緒に来てください。個人マネジャーになって欲しい。信頼している人とやりたい」と頼まれ快諾。ボクシング未経験者が、ミット打ちを受けるため、映像を何度も見て日々、修練した。
07年、同ジムが多額の負債を抱え破産した時、マネジャーに就任した。そして09年4月13日の悲劇。告別式の翌日、「小松の目標、世界王者をつくる」と決意。月収100万円を稼いでいた金融会社を辞めた。
競技もジム運営も素人。「本当に苦労した。誰からも相手にされなかった」と当時を振り返る。しかし「小松はあきらめなかったじゃないか」と自らに言い聞かせ努力。周囲から次第に認められ、会長職を託された。月命日と試合日には必ず、小松さんの実家で手を合わせ、世界王者を誓ってきた。
4月13日、会長就任後、初の興行となる日本タイトル戦を戦うのが小松さんの前ジムからの後輩・川口だ。「何も仕組んだわけじゃない。小松の後輩が命日に王座戦。しかも小松が最後に勝った場所、最後に負けた場所がIMPホール。小松の最後のスパー相手が川口。その川口が王者になれないわけがない」。怖いほどの“重なり”に、勝利をもはや確信している。
初の王座を狙う川口は小松さんのガウンをまとい、小松さんの入場曲、TOM★CATの「TOUGH BOY」でリングに上がる。「中学でボクシングを始めて以来、背中をずっと見てきた。練習姿勢、気持ち面、1番尊敬してきた。一緒にリングに上がりたい。『お前、取れよ』って見守ってくれていると思う。これで負けたらネタにしかならない」と、小松魂で必勝を誓った。
井岡弘樹(WBCミニマム級・WBAライトフライ級)、山口圭司(WBAライトフライ級)、高山勝成(WBA暫定・WBCミニマム級)と3人の王者を輩出した名門も、近年は低迷。07年に丸元大成が東洋太平洋ウェルター級王座を失って以来、ベルトがない。
「小松のことは一生、忘れることはないけど、この日(4月13日)が終わった時、僕もジムも何か一つの区切り、出発点と思っているんです。世界王者をつくるという目標への第一歩が始まるんです」と本石会長。
同ジム7年ぶり戴冠で、名門復活の道が開けるか‐。13日、運命のゴングが鳴る。
ファイトニュース
- 堤駿斗 前日計量失敗で6カ月のライセンス停止処分に 再計量でもクリアできず(4月20日)
- 堀池空希 1回KO白星デビュー 今後はスーパーライト級「日本ランキングに入りたい」(4月20日)
- 石田匠が戴冠宣言「負けは想像がつかない」 約7年ぶりの世界戦に気合「自分のボクシングの集大成」(4月20日)
- 極真世界準Vの父を持つ堀池空希がボクシングデビュー 1回KOで初陣飾り「奥にグッと刺さった」(4月19日)
- 前日計量で体重超過の堤駿斗 JBCから6カ月のライセンス停止処分「権威と信用を著しく毀損(きそん)する行為」(4月19日)
- 堀口恭司がセルジオ・ペティスとリベンジ戦 6・9RIZIN代々木大会(4月19日)
- 32歳石田匠「積極的に戦う」(4月19日)
- 石田匠 井上拓真との世界戦「アグレッシブにKO目指す」 練習公開で強気「負けは想像つかない」(4月19日)
- 王者ユーリ 対戦相手桑原の“雪辱”警戒も「圧倒したい」 大橋秀行会長「技術戦になるんじゃないかな」(4月19日)
- バーネットが夢の一騎打ち 対戦相手のIWGP王者モクスリー「死ぬことになったとしてもそれはいい死に方だ」(4月19日)
- 全日本プロレスで曙さん追悼セレモニー レフェリー和田氏「おおらかで優しい人でした」(4月19日)
- 2m綾部蓮が宮原健斗を撃破、新3冠王者の安齊は新技で白星発進 全日本チャンピオンカーニバル(4月18日)
- 井上尚弥 外国人パートナーとのスパーリング打ち上げ「手応えは十分あり、もうバッチリ」(4月18日)
- ユーリ阿久井政悟が公開練習 相手陣営の視察を初体験し「何を見ているのかな?」(4月18日)
- ユーリ阿久井「圧倒する」(4月18日)
- IWGP王者ジョン・モクスリーがブラッドスポーツ参戦 6・22両国でバーネットと一騎打ち(4月18日)
- 京口紘人 パラスと再戦、勝てば世界挑戦濃厚「いい内容で勝つのがテーマ」(4月18日)
- 堤駿斗・コロナ感染を告白 3回KO勝利も涙で謝罪「失った信用を取り戻してリングに上がれるよう」(4月18日)
- 堤駿斗 新型コロナ感染が体重超過の原因だった モレノKOも涙声で謝罪(4月17日)
- 京口紘人 世界3階級制覇に向けてランカー戦「いい内容で勝つのが今回のテーマ」(4月17日)
- 桑原拓がKO宣言 ユーリ阿久井に雪辱だ「倒し返したい」(4月17日)
- 堤駿斗 まさかの前日計量失敗 対戦相手のモレノ「失望している」 当日再計量を経て実施へ(4月17日)
- 女子プロレス団体「アクトレスガールズ」退団発表取り下げて謝罪 批判された風香氏は怒りの反論(4月16日)
- 桑原拓 ユーリ阿久井政悟へのリベンジ戴冠に向けてトラになる!…大阪出身、でも野球は巨人ファン(4月16日)
- 桑原拓、世界戦「萎縮せず臨む」(4月16日)
- 堤駿斗が前日計量で1・6キロ超過し再計量 相手モレノ「たいへん驚いている」(4月16日)
- 武居由樹「しっかり倒したい」 危機感ある練習で成長 史上初K-1世界王者からのボクシング世界王者へ(4月16日)
- 愛川ゆず季 女子プロ新団体設立に「目玉飛び出たよ」と驚き 「ゆずポン」の復帰望む声も(4月15日)
- 女子プロレス新団体マリーゴールド 風香らアクトレスガールズ退団組が参加を直訴(4月15日)
- バンタム級武居「絶対、KO」(4月15日)