石井、藤田を圧倒で総合転向後初ベルト

 「IGF」(31日、両国国技館)

 メーンのIGF選手権は、挑戦者の石井慧(27)が藤田和之(43)を3‐0の判定で破り、第3代王者に輝いた。2回に石井の左ローキックが藤田の股間に入るアクシデントがあり、5分間の中断を挟んで再開。減点を受けた石井だが、左ローを的確に当て続け、最終回はコーナーでのヒザ蹴り、パンチで圧倒した。

 日本人最強決定戦は石井に凱歌が上がった。尊敬する藤田を撃破。09年大みそかのデビュー以来、初のベルトを手にした石井は「またすぐ、IGFで試合をしたいと思います。よいお年をお迎え下さい」とあいさつ。“初仕事”をした新IGF王者に大きな歓声が起こった。

 完勝にも謙虚だった。「勝てたというより、藤田さんとやれた。(相手として)声をかけてもらったというだけで、自分自身が勇気づけられた」‐。

 勝利を祝福されたジェロム・レ・バンナ直伝の左ローで序盤からポイントを奪取。2回、残り43秒でのローの股間直撃も動揺はなかった。最終3回には疲れの見えた16歳上の藤田に対し、コーナーで左右のパンチ、ヒザ蹴りを浴びせて追い込んだ。イエローカード(減点1)をもらったが、判定は3‐0だった。

 会見では右肩に“2億円ベルト”が輝いた。「初めてなのでうれしい」と目を細め、「猪木さん(ゆかり)のベルトだけあって重い」とも口にした。10月の藤田戦発表の際にぶち上げた“鑑定”については「藤田さんとやって、そんなことを言っとった自分が恥ずかしい」と、価値を認めて撤回した。

 13年最後に追われる立場となった。UFCなどにも目を向ける男は「海外でやるときもIGFの代表として勝って、どこの団体でも王者になりたい。いつ何時、誰の挑戦でも、どんなルールでもやります」と宣言。「IGFルールでも?」の問いにも、「求められれば」と即答した。“プロレスルール”に興味を示した新王者を、IGFのサイモン・ケリー猪木取締役は「挑戦者の幅が広がる」と歓迎した。

 デビューから4年でたどりついた頂点の座に胸が高鳴る。「(今後は)猪木さんのようなカリスマ性を学べれば」。ベルトを通して“闘魂伝承”を果たせば、石井はさらに飛躍するはずだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス