レジ袋有料化は誰のため? パフォーマンスより根本的な解決策探って

 プラスチックごみ削減に向け、スーパーやコンビニのレジ袋が法律で有料化されるそうです。プラごみによる海の汚染が深刻化し、最大の輸出先だった中国も受け入れを禁止する中、日本として明確な対策を打ち出す必要に迫られた事情は理解できますが、「やってる感を出すため」という指摘もありました。私もその通りだと思います。

 というのも、環境省が2016年度に全国の海岸10カ所で行った漂着ごみの調査では、レジ袋は容積比で0・2%程度。ペットボトルや業務用の発泡スチロールなどの方がずっと多いそうです。

 そもそもレジ袋を有料化して、5円で袋をもらうのをやめる人がどれだけいるかも疑問です。コンビニは基本的には定価で、客も必要に迫られて買うケースが大半。有料だから袋をもらわない、と言う感覚の人は、そもそもコンビニには行かないんじゃないかな。もちろん「地球にやさしい・エコ」を考えている人はおられると思いますが、一方スーパーは元々が買い物に行くつもりですから袋の準備もできるし、一定の効果は期待できると思います。

 ハワイでも2018年から、スーパーのビニール袋もシャネルなど高級ブランドの紙袋も、1枚15セント以上かかるようになりました。高級ブランドの袋はもう少し高いようですが、それでもお土産用等に袋が欲しい人の方が多いと思います。レジ袋も、お金を出しても必要と思う人は買うでしょう。

 5円、10円を払うのが嫌だと言っているのではありません。安易に消費者に転嫁して「有料化すればエコの意識が高まり使わなくなるだろう」というのは目先の判りやすい対策でしかないと感じてしまうのです。ごみ削減のため透明ごみ袋が導入されましたが、見られたくないものはやはり白や黒のビニール袋に入れ、最後に透明袋に入れて捨てている人を多く見かけますし、私もやはりそうしてしまいます。てことは、逆にプラごみは増えている?! 分別方法も地域ごとに違い、発泡スチロールを可燃ごみとして燃やす自治体もあって、実家に帰るといつもごみの捨て方で母親とケンカになってしまいます(笑)

 それより、いっそ全て紙袋にするとか、生分解性プラスチックなどの技術開発を政治主導で進める方が、根本的な解決につながるのではないでしょうか。エコの考えが進んでいるドイツに行った時に思ったのですが、用途に応じいろんな形や容量の紙袋があり全く不便を感じませんでした。

 有料化は消費者の姿勢を問う切り札のように言われていますが、お上の言うことを簡単に聞かないと思っていた、商人気質の大阪人だって、6月末のG20開催中はG20を成功させるため、国の指導に従いほとんど車を使わなかった。私も番組の収録に自転車で向かいましたが、交通規制地域である中之島の近辺もガラガラ。「大阪人もやったらできるやん!」(笑)プラスチックゴミ問題も必要性をきちんと訴えれば届くはず。小手先のパフォーマンス、レジ袋を有料化になんかしなくても、国民はやるときはやりますから!!

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