“テレビでよく見る人=売れている”はなくなりつつある!?

 東京には数多くの劇場があり、テレビなどには出演してはいないが“売れている”芸能人も多い。芸能界の第一線で活躍するハイヒール・リンゴも「“テレビでよく見る人=売れている”は、なくなりつつある」と語る。そのうえで「小屋」を育てる文化の大切さを訴えた。

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 東京と大阪の違いだと思いますが、大阪ってテレビに出てないと売れていないって感覚が強いように思います。東京ではストレートプレイやミュージカルなど、舞台だけで十分食べていける人がたくさんおられる。その人たちが映画の世界なんかで、ポーンと一般の人に認識されると、「昔から実力派で人気があって」となる。

 神田沙也加ちゃんの旦那さんの村田充さんもそう。ピエール瀧さんなんかも知る人ぞ知る「電気グルーヴ」というミュージシャンであり俳優さんだったのが「64(ロクヨン)」などに出演されて、認知度が上がった。

 テレビに出て、CMに起用されると一挙に名前が売れるのは事実ですが、いまの東京はパフォーマンスを発表する劇場等がたくさんあります。もちろんインターネットもそのひとつ。だから「テレビでよく見る人=売れている」は、なくなりつつあると思います。

 昔、ダウンタウンの「4時ですよ~だ」という番組で、公募で決まった「2丁目ナイス小僧」というアシスタントボーイが数人いました。そのなかに米倉君という歌のうまい子がいて、周囲とは少し違っていた。

 その米倉君というのが、現在の実力派アーティストの米倉利紀君。先日、久しぶりにライブに行ったら「2丁目劇場時代、むっちゃ怒られたのがリンゴさんとキム兄」っていじってくれました。「楽屋にいたらバーンとドアが開いて『ちゃんとあいさつせぇ、ナイス小僧』と叱られた」って。もっといいエピソードを言ってほしかったわ(笑)。いまではビルボードで歌うほどなんだけど、そんな彼もずっと中規模のホールやステージで腕を磨いてきたと聞きました。

 よくよくみると、大阪ってそのレベルの劇場って少ないなあと思うんです。大きな商業演劇を打てる劇場か、本当に小さな劇場。例えば劇団四季の大ヒット作品は上演できるけど、何日も興行を打てる中規模の劇場はそんなにない。東京は下北沢にいったら、100~400人収容の劇場がたくさんあるじゃないですか。ふらっと行っても必ず何かやってるし、劇場自体にもお客さんがついている。

 大阪はぜひそういう規模の「小屋」を育てる文化を思い出してほしいと思います。昔、浪花五座といわれた時代、大阪はブロードウェイだったんです。その時代たしかに。

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