大阪は東京に対抗意識がある。だが東京では大阪も他の都市も全て「東京以外」としか意識していない。一方で京都はどの都市にもコンプレックスを持つことなく、独自の道を進んでいる。東西で仕事をするハイヒール・リンゴは、対抗意識を燃やすより、大阪ならではの文化を大切にする道を、と語った。

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　マクドナルドの愛称「マック」か「マクド」か投票キャンペーンが行われ、大阪での略称「マクド」に軍配が上がりました。でも東京の略称の方がおしゃれに聞こえるのは、濁点が入らないからじゃないかなと。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも東京だとＵＳＪ、大阪だとユニバ。略し方も東西大きく違いますね。

　大阪弁で味が染みていることを「味がしゅんでる」と言うんです。でも東京で使ったら笑われたんですよ。でも私は「しゅんでる」としか使わない。その状態を示すのに、これ以上ぴったりな言葉はないですから。大阪だけじゃなく、どの地方にも生活様式に合わせた言葉があるんです。

　東京で仕事をしてると気づくのですが、東京は大阪を意識していないんですよ。名古屋も福岡も札幌も「東京以外」というくくり。大阪の人は「東京は～」というけど、向こうは全然思ってない。東京に対して意識を燃やさず、大阪の人は大阪の文化として言葉を大切にしたらいい。

　だからもう、東京に対して「負けるもんか」はやめた方がいい。大阪の文化を大切にすることと、東京に勝つことは別のこと。東京にオリンピックが来るんだったら、大阪は万博で頑張ればいい。１番、２番を競うんじゃなくて独自で１番になればいいと思うんです。例えば福岡の人は東京は１番と思ってるけど、大阪に負けてるとは思ってない。だから大阪の人が大阪は２番で、福岡は３番と言っていることは腹が立つと思います。大阪も考えなあかんなと。

　すごいのは京都です。そのコンプレックスないですからね。京都はいまでも「都は京都」と思ってる。知り合いの京都の和菓子屋さんも、ずっと和菓子一筋。「バウムクーヘンとか、洋菓子とのコラボとかされないんですか？」と聞いたら「日本人は最後はみんな餡子に帰ってきます」って。スゴイ自信！と思ったけど、その自信でずっとやってこられたわけですよ。そういうのが大阪にはないんじゃないかな。

　大阪の人って、ほんと比較するの好きですよね。勝ちたいというか。もっとも、私も含めてなんですけどね（笑）。