クリぼっち…、もっとポジティブなネーミングを

 昨今、クリスマスの時期になると、ネット上に「クリぼっち」という言葉があふれるようになってきた。「クリスマスをひとりぼっちで過ごす人」をこう呼ぶ。ある調査では20~30代の5割以上の人が、クリスマスをひとりで過ごすと回答。「クリぼっち」の過ごし方マニュアルまで登場する現在の風潮に、ハイヒール・リンゴが若者たちへ、アドバイスする。

 ◇  ◇

 昨年初めて「クリぼっち」という言葉を聞きました。最初は、「何それ」って思いましたよ。「独りぼっちのクリスマス」という意味と知って、何て、悲しい響きだと思いましたよ。

 クリスマスって、私が小さかった頃は、家族のものだったんですよ。お父さんがとんがり帽子を買って帰ってきて。アイスのケーキはおなか壊すから、お母さんにダメって怒られたりして。おまけに普通のケーキだったら冷蔵庫に入れるのに。アイスだから冷凍庫に入れなきゃいけないんだけど、ケーキが大きすぎて入らないって大騒ぎしたりとか。家族で過ごしたクリスマスの思い出はいろいろあります。それが、バブルのころからクリスマスって、カップルのためのイベントにすっかり変わってしまったんですよ。

 私は小学生のころ一時期、教会に行っていたんです。クリスマス・イブに聖歌隊で歌ったりして。そういう意味でいえば、聖なる夜だったんですけど、バブルのころから、まるで男女がお泊まりをする為の儀式みたいな夜になって。デイナーにイタリアンやフレンチを食べて、ホテルに泊まるというのが当たり前になってしまったんですね。

 昨年のクリスマス期間は3連休でした。私は23日の夜ご飯を食べにいこうとしたら、フレンチとイタリアンのレストランは全て、満杯。空いていたのが寿司屋と韓国料理店だけでした。お寿司屋さんに行ったら、お店の人が「ガラガラです」って(笑)。しかも、お店にいたお客さんはすべて年配のカップルでした。イタリアンという年でもないけど、何かしないわけにはいかないから、一応、2人で外食したよ、という感じでした。

 バブル世代の人たちならまだしも、今の若い子たちのこうした風潮って、何かおかしくないって思うんですよ。別にクリスマス・イブに独りでいても全くかまわないと思うんですよ。あ、クリスチャンなら話は別ですが。

 それなのに、クリスマス・イブの夜は「繁華街には近づかない」とか、「あえて残業する」だとか、「クリぼっちの七箇条」のようなものまで出回っていて…。「思いきって旅行に出かけてしまう」なんてことにまでなると、何でそんなことまでしなきゃいけないのって、悲しくなってしまいます。

 知り合いのスタッフで、彼氏彼女がいない子がクリスマス・イブにロケを入れて、逆に彼氏彼女がいるスタッフの子がブーブー言ってたという話も聞きました。何か、みんなが、「クリぼっち」の呪縛にとらわれているような気がしてならないんですよね。

 ある調査によれば50パーセント以上の人が、クリスマスをひとりで過ごすって答えているんだとか。カップルよりも数の多い人たちがつらい思いをする話ってなんか変ですよね。

 第一、「クリぼっち」っていう言葉が、なんか寂しげでしょ。もう少し楽しい言い方ないのかなって。せめて、もう少しポジティブなネーミングをだれか考えてくださいな。

 それにしても、バブルのころのクリスマスは確かにすごかった!その一夜のためだけに、男の子が1年中、バイトしているといっても過言ではないような。まさに、一生一代のイベントみたいでした。

 バレンタインデーになったら、またこんな現象が起こるのかなあ。独りでチョコを食べるチョコぼっち…なんかもっとポジティブなネーミングが無いでしょうか(笑)

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