話術のプロが語る紅白MCの見方

 一部では時代錯誤の番組だといわれるNHKの「紅白歌合戦」。だがハイヒールのリンゴは「大いなるマンネリこそが魅力」と力説。「もっと素直に評価すべき」と擁護する。そんなリンゴの今回の見どころは紅組が綾瀬はるか(30)、白組がV6の井ノ原快彦(39)、総合司会は有働由美子アナ(46)と黒柳徹子(82)の司会陣。話術のプロが語る今年の紅白MCの見方とは…。

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 紅白がなぜこんなに否定されるのかがわからない!大晦日は「紅白」を生で見るのが恒例。「ガキ使」(“絶対に笑ってはいけない”シリーズ)は録画して、巻き戻してじっくり見る派です。紅白は視聴率が悪い悪いと言われていますが、50%あるんですよ!スポーツ番組をのぞいて、こんな数字を取る番組が他にあります?素直に紅白すごい!って言わなあかんのですよ。今年はタモリさんに司会を断られたから、発表が遅くなったとか…そんなことさえもニュースになるくらいなんですからね。

 男女が紅白に分かれて戦うって、古い構図じゃないですか。でもいろんな局でいろんな歌番組をやってますが、どれが見やすいかっていうと、男女が軽く戦っているのがやはり見やすい。永遠のマンネリでええんですよ。ちょっとみんな紅白否定しすぎちゃう?と思います。今年も目玉がないとか言われてますけど、あんなにジャニーズの人がたくさん出て、演歌の人もたくさん出る。セットも大がかりで、リハーサルにも時間をかける。こんな番組他にないですよ。私は大晦日に紅白は絶対に外せません。

 個人的には今年の見どころはゲストMCですね。MCはどんな番組でも結構注目して見てるんですけど、イノッチのMCは大好きなんですよ。どんな細かい言葉でも拾うじゃないですか。遮らないし、否定しないし。有働さんとイノッチでいいと思ったんですけど、ここに黒柳さんが入ったことで、私を面白くさせましたね(笑)。黒柳さんは年を重ねて、多少テンポが落ち付きましたが、基本マシンガントーク。いろんな事をばーっと言う方じゃないですか。それをイノッチがどうやって拾うんやろか、と。さらにアドリブが得意でない綾瀬さんが、そこにどう絡むか。「あさイチ」のカップルはいいと思うんですよ。そこに黒柳さんをくっつけて団子になって、この司会者グループのMCが楽しみです。

 黒柳さんは個人的にツボなんです。以前「徹子の部屋」に相方のモモコと一緒に出させていただいたことがあるんです。きっちり下調べをされて、それをすべて披露される方なんですよ。当時私は結婚した直後。「自分は一人で生きてくかなと思って中古マンションを買ってたんですよ。うちの旦那はバツイチで~」という話をすると「まあマンションも中古で、ご主人も中古。中古がお好きなのね」って(笑)。そういったことを“芸人殺し”と思うか、“黒柳さんに言ってもらったわ”にとらえるかの違いだと思いますね。黒柳さんは8月9日生まれで、私と同じ誕生日なんです。すごいシンパシー感じてるのもありますね。

 昔は本当に誰もが紅白を見ていた。加山雄三さんが司会して、少年隊の「仮面舞踏会」を「仮面ライダー」と紹介したとき(1986年)、翌日の元旦のなんばグランド花月の舞台でつかみのネタでやったらごっつ受けた。北島三郎さんが口の中に演出の紙吹雪が入ったにもかかわらず、そのまま最後に歌いきったとか…元旦の舞台で、つかみネタで紅白のアクシデントを使わせてもらったら、客席がドカンドカン受ける。それくらいの共通の認識だったんですよ。正月興行では出演する芸人同士で、紅白のネタがかぶらないように気をつけてましたよ。最近それがなくなってきたのは、私としては寂しいかな。もう一度紅白のいいところを素直に見直してほしいですね。

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