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フッ素入り歯磨き粉で磨くときは「うがいは控えめで」…なぜ? 11月8日は「いい歯の日」

 11月8日は「いい歯の日」だそうです。れっきとした開業歯科医で吉本所属の芸人、パンヂー陳(本名・陳明裕)が「いい歯」を保つためにアドバイスをしてくれました。虫歯を防ぐキーワードのひとつがフッ素。少しばかり、お付き合いください。(聞き手・山本 智行)

パンヂー陳:11月8日は「いい歯の日」ですね。知ってました?

--もちろん、知ってますよ。2カ月前から聞いてましたからね。しかし、そんな感じで何でも語呂合わせで記念日つくってたら、きょう11月8日は“いい鉢の日”で、植木鉢を買いましょうとか“いい蜂の日”で蜂蜜を買いましょうとか、何ぼでもつくれそうですね。

パンヂー陳:まあ、そうかも知れませんが、11月8日は日本歯科医師会が1993年から「い(1)い(1)歯(8)」の語呂合わせでPR重点日として設定していて、毎年、この日に合わせて歯科保健啓発活動を行っています。

--あれぇ?そういやぁ、4月18日も“良い歯の日”って言うてませんでしたか?


パンヂー陳:痛いとこ突きますね。実は“良い歯の日”も“いい歯の日”と同じ1993年に一緒に制定されたんです。きっと決める時に“いい歯”がいいか“良い歯”が良いかで揉めたんちゃいますかね?ほんなら、どっちもやっちゃえ!ってなっちゃったんですかね!?

--そんな、どうでもいい話はよろしいので、何かためになる“いい歯の話”はないんですか?私は先月の「入れ歯の日」に、陳さんに脅かされたんで、帰りに買ったフッ素入りの高い歯磨き粉で毎朝、起きたらすぐに磨くようにしてるんですけど、以前はマスクの臭いが気になる事が多かったんですが、最近のマスクは、臭いがこもらなくなりましたね。

パンヂー陳:いや、それはマスクのせいじゃなくって、お口が臭かったんでしょう!?ところで、そのフッ素入りの高い歯磨き粉で磨いた後の、うがいはどのくらいしてますか?

--ちゃんと、歯磨き粉の味がなくなるまでしっかりと、うがいをシマクリ千代子してますよ。

パンヂー陳:はい、確かに♪人生いろいろ、男もいろいろ、うがいも、いろいろ~じゃなくって…。それブー、ダメです!せっかくのフッ素がお口からなくなっちゃいますので、フッ素入りの歯磨き粉は、控えめのうがいがオススメです。お口に残ったフッ素が虫歯を予防してくれますから。

--へー、そうなんですか。今までその分、損した気分です。フッ素ってそんなに虫歯予防に効果があるんですか?

パンヂー陳:はい、フッ素には、歯から溶け出したカルシウムやリンを補う再石灰化によってエナメル質の修復を促進したり、歯のエナメル質表面の結晶構造にフッ素を取り込んで酸に溶けにくい性質に変えることで歯質を強化したり、虫歯を作る細菌の働きを弱め、酸の産生を抑えるなどの作用があって、主にこの3つの働きで、虫歯の発生と進行を防ぐんです。でも、フッ素って、食べ物や水にも結構含まれているんですよ。

■フッ素は、食べ物や水にも含まれている

--へぇー、どんな食べ物に含まれてるんですか?

パンヂー陳:例えば、さっき山本さんのおっしゃったくだらないダジャレに出てきた島倉千代子さんの大好物として有名な、鍋焼きうどんの具に入っているお肉や野菜、魚介類や、味付けに使う塩とか、食べた後に飲むお茶の葉っぱなどにも、フッ素は含まれています。

--島倉千代子さんの好きな鍋焼きうどん?ていうか、要は、ほとんどの食品に含まれてるんですね。

パンヂー陳:はい、WHOも「フッ素は正常な骨および歯組織に存在する元素であり、その適当量を摂取することは歯に対して最高のう蝕抵抗性を与えるために不可欠であり、こうした理由によってフッ素は必須栄養素と考えられる」といってますので、毎日摂取する必要があります。

--良かったです、私、茶渋で歯が茶色くなるくらいお茶が好きです。


パンヂー陳:山本さんの歯が茶色いのは、歯磨きが悪いだけだと思いますけどね。アメリカなど諸外国では「フロリデーション」といって虫歯予防のため、水道水に1ppm程度のフッ化物イオンを混入させたりしていますが、日本の水道法の水質基準ではフッ素は0.8ppmを超えてはならないと規定しています。

--なんで日本もそれ、やらないんですか?虫歯が減ったら困るから歯医者さんがそうならんように圧力かけてるんちゃいますか?

パンヂー陳:な、なんちゅう事言うんですか?どっちかっていうと歯科医師会は何とかして虫歯を減らしたいという立場なんですが、いろんな方面からの反対意見が意外とあるんです。まず取りすぎるとフッ素症といって、歯の表面に白や褐色の斑点ができる事が挙げられます。

でも、これは、あくまで過剰摂取した場合だけでして、厚生労働省のeヘルスネットにも「飲料水中フッ化物濃度が1ppm以下であれば歯のフッ素症の流行がなく、また1ppm前後のフッ化物を含む飲料水はむし歯の発生を大きく抑制する」と書いてますので、この濃度なら大丈夫だと思います。

ただし、日本人は先述のお茶を始め食生活が欧米と違うのでフッ素を過剰摂取するリスクが高いとか、花崗岩が多い地域の地下水を飲料水として併用する場合の過剰摂取リスクをいう人もいます。実際、私が住んでる吹田市に近い大阪平野北部の北摂山地南麓部一帯などでは、フッ素を多く含有する地下水が存在するという指摘もあります。

水道水のうち、飲料に使われるのは1%程度なので、それ以外は環境汚染源となりえるという人もいますし、米軍統治時代の沖縄で水道水フッ化物添加後、子宮がん発生率が有意に高くなった事例を挙げる人や、ラットの実験での大脳への影響を危惧する向きもあったり、なかなか実現へのハードルは高そうです。

--私は、歯磨きせんでも虫歯を防げるんやったらぜひ、水道にフッ素入れてほしい派ですけどね。

パンヂー陳:いえいえ、フロリデーションしたからって、全く虫歯に成らなくなる訳では無いですし、歯周病予防の観点からも普段のブラッシングはちゃんとせんとあきませんよ。そういえば、上水道フッ素化がなされているはずのニューヨーク州の歯医者の友人が、近年は子供の虫歯が増えてるって言ってました。

--えっ?それはまた何でですの?

パンヂー陳:日本でも、最近は水道の水を子供に飲ませるお母さんって少なくなってますよね。大抵、六甲とか富士山とかのおいしい水をわざわざ購入して飲ませてますでしょ。アメリカも同じで、子供に水道の水ではなく、ペットボトルの水を購入して飲ませる人が増えたため、上水道フッ素化の効果が現れにくくなっているみたいです。

--子を思う親心が、虫歯をつくるって皮肉な話ですね。じゃ、陳さん得意のこんな皮肉な話ばかりを集めて今度、一席設けましょうか?

パンヂー陳:では、1月29日に。そうそう「ひ(1)に(2)く(9)」の日にねって、そんな記念日ないわ!でも、結局は最も気軽にできる自分磨き、歯磨きをしっかりしていれば、虫歯は防げて「いい歯」を保てます。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

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