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【松本浩彦医師】「おうち時間」のゲームはほどほどに…疲労感じず延々とプレイすると炎症も

 ここ1年の「おうち時間」は人々の生活様式を大きく変えました。これにともなって、これまでになかった疾患概念が生まれています。アメリカではテレビゲームのことを総称して「Nintendo」と呼ぶ人が多いのですが、ゲーム機の名前が病名として正式認定されています。本当の話です。

 「Wii」というゲーム機がありますが、これにはテニス、ゴルフ、野球にボクシングまで、さまざまなスポーツを疑似体験できる機能があります。実際にするわけではないので、それほどの疲労を感じることなく延々とプレイしてしまいがちで、そうなると肩や肘、膝などに急性の炎症をきたします。これらは「Acute Wiiitis(急性Wii炎症)」という正式な病名で、部位に応じて「Wii肘」「Wii膝」などと呼ばれます。もちろん特別な治療は必要なく、安静と鎮痛消炎剤の内服で治るものばかりですが、ゲームで長時間座っていることで起こる下肢静脈の血栓症も「Wii炎症」の亜型と認識されています。

 また、ゲームで長時間、激しく親指を動かしたために起きる急性の母指筋腱炎は、「Nintendinitis(任天堂炎症)」と命名されています。ほかにも、ゲームに夢中になってトイレを我慢することで、排尿調節機能がおかしくなり、膀胱炎や頻尿や過活動膀胱を発症することがある、とも報告されています。

 ここにあげた話は語呂合わせでもなんでもなく、欧米で社会問題になっているほどで、世界で最も権威ある医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)」に掲載されているほどの、立派な疾患概念です。ゲームは「ほどほど」に。

◆松本浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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