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【窪谷日奈子医師】白内障手術は簡単?たまに起こる怖い話 「正しく怖がって、適切な治療を」

 「白内障」は年齢とともに目の中のレンズが白く濁り、視力が下がる病気です。この濁ったレンズを超音波の力で砕きながら吸い取り、人工のレンズを入れる手術が白内障手術です。白内障手術は日帰りで行っている病院も多く、痛みがなく10~20分程度で終わる手術なので、「白内障手術は簡単!!」というイメージがあるかもしれません。しかし手術は手術、たまに起こる怖い合併症があるのをご存じでしょうか?

 頻度は100人に1人程度ですが、白内障の手術の際に人工のレンズが入れられないことがあります。レンズを入れるための袋が弱い方や、放置しすぎて白内障が熟している場合、そのリスクが高まります。

 レンズを入れるための袋は、外傷の既往があると弱くなります。ボールが目に当たったことがある、頭を強打したことがある、目を強くこする癖がある方は、その衝撃で袋が弱くなっていることがあります。診察時に袋が明らかに弱そうな方は外傷歴を確認されると思いますが、ご自分でも思い当たることがあれば医師に申告しておくと安心です。

 また白内障があまりに進行すると、通常の超音波を使った手術では対応できなくなります。合併症のリスクも高まりますので、限界まで放置するのはよくありません。目安ですが普段の生活で「見えにくくなった」と自覚が出るころ、運転免許更新でひっかかるころが、手術適応のある中等度の白内障であることが多いです。見えにくさの自覚が出たら、まずは眼科を受診しておくとよいでしょう。

 まれな合併症ですが、傷口から細菌が入り感染を起こすこともあります。白内障手術のあとで感染が起こると、最悪失明することになるため注意が必要です。感染が起こった場合は、急激に視力が下がり、充血や痛みが出ますので、気がつかないということはまずありません。しかし受診が遅れると回復が難しくなります。

 たかが白内障手術、されど手術。正しく怖がって、適切な治療をうけましょう。

◆窪谷 日奈子 医療法人社団吉徳会・あさぎり病院・眼科部長。

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