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【尾原徹司医師】「コロナストレス」原因で胃が痛い!?「びらん性胃炎」にも要注意

 国内の感染者が1万人を超え、新型コロナウイルス感染への不安を抱く人は増え、今や「コロナストレス」という言葉まで生まれています。そして、ストレスが溜まると心身の不調が表れ、「胃痛」や「吐き気」などの胃の不快感を訴える人も少なくありません。なぜ、ストレスを受けると、胃の不快感が起こりやすいのでしょうか?

■胃はデリケートな臓器

 胃をはじめとする消化器官の働きは自律神経(交感神経と副交感神経)と関係があります。ストレスを受けると自律神経のバランスが崩れ、ストレスの刺激が副交感神経から胃に伝わり、胃酸分泌と蠕動(ぜんどう)運動を過剰に促進させてしまいます。副交感神経だけでなく交感神経にも伝わることで、胃の血管は収縮し血流を弱め、胃粘液の分泌を抑えます。

 その結果、胃粘膜の抵抗力が弱まり、一方で、強力な酸である胃酸(胃液)の分泌を高めてしまいます。そのため、胃への攻撃因子・胃酸と、胃の防御因子・胃粘膜のバランスも崩れ、炎症や潰瘍が起こりやすくなり、胃が痛くなったり、不快感が出てきたりするのです。

■「びらん性胃炎」原因1位はストレス!?

 そんな胃の疾患で注意したいのが「びらん性胃炎(胃びらん)」です。

 胃の粘膜下層に達せず、粘膜が少し荒れ、欠損が見られる状態が「びらん」です。ちなみに、潰瘍(かいよう)は粘膜の傷が粘膜下層より深くなった状態をさします。びらんが出きると、吐血や下血など出血する可能性があります。軽度の場合は無症状ですが、少し進むと消化不良や吐き気、嘔吐などの症状が出るようになります。

 びらん性胃炎の原因で一番多いのはストレスといわれています。「急性ストレス胃炎」もびらん性胃炎の一種で、複雑な現代社会を反映してストレスが大きく関わっているとも考えられているのです。実際、ストレスをためがちな働き盛り世代の発症も少なくありません。最近では、コロナストレスが原因の患者さんも増えてきているように思われます。

 ストレス以外には、過度の飲酒や食べ過ぎ、香辛料(刺激物)、薬の副作用などで発症することもあれば、ウイルス感染などが原因になることもあります。アルコールや薬物が原因の場合は禁酒や服用を中止することが重要です。胃酸過多で胃粘膜を傷つけている場合は、胃酸の分泌を抑える薬などが処方されます。

 症状が軽いからといって適正な治療をせず放置すれば、この病気は「慢性化」するので注意してください。

◆尾原 徹司 東京医科大学卒業。東京女子医科大学消化器病センターを経て、神戸鐘紡病院消化器科に赴任。昭和57(1982)年に独立し、医療法人社団つかさ会「尾原病院」(神戸市須磨区妙法寺荒打/神戸市営地下鉄西神山手線妙法寺駅徒歩3分)院長に。

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