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【中塚美智子医師】下の歯が痛いと思ったのに悪いのは上の歯…冷たいものを食べても起こる「関連痛」

 寒い時期にもなぜか欲しくなるアイスクリーム。しかし、食べた途端にキーンと激しい頭痛が。原因はまだ解明されていないようですが、その1つとして考えられているのが神経の「勘違い」。脳神経の1つに三叉(=さんさ)神経という、歯や口、顔面などの痛みや温度などの刺激を脳に伝える神経がありますが、この三叉神経が急に冷たい刺激を受けると、どこで起こったどのような刺激であるかを神経が勘違いしてしまうため、頭痛が起こるとされています。

 このように、痛みの原因となる刺激から離れた場所に感じる痛みは「関連痛」と呼ばれています。先程のアイスクリームの場合、冷たい刺激があったのは口から喉にかけてですが、痛いのは頭でしたね。ほかにも狭心症の場合は心臓に原因がありますが、奥歯や腕が痛くなることがあるようです。

 歯科で多いのは、上顎の奥歯に虫歯があるのに下顎の奥歯が痛いと感じることです。上顎の歯の痛みを伝える神経と下顎の歯の痛みを伝える神経は耳の少し上の辺りで合流するため、勘違いが起こりやすくなります。歯科では患者さんから見えないところを治療することもあり、患者さんにしてみたら、「なぜ痛くない歯を治療するのか?」とつい心配になってしまいますね。しかし、このように痛みを錯覚することは実際に起こるため、歯科医師は関連痛ではないかと考え、歯に原因がある場合は原因となっている歯の治療を施すことになります。

 気を付けたいのは歯に原因がない場合の歯の痛みです。先程の狭心症もそうですが、顎の筋肉が疲労した時や、頭蓋の血管が腫れた時なども歯の痛みと認識されることがあります。これらの場合は歯に原因がないため、歯科治療を行っても痛みは治まりません。顎の筋肉が疲労した時はマッサージなどで筋肉のコリをほぐす、常に上下の歯を接触させる癖を取り除く、硬い食べ物を控えるなどして、顎を安静に保つことが大切です。なお、歯の痛みが治まらない場合は重篤な疾患が隠れている場合もあるので、歯科医に相談しましょう。

◆中塚 美智子 大阪歯科大学医療保健学部准教授、1級キャリアコンサルティング技能士。「歯科医療の発展が日本を元気にする」と信じ、日々未来の歯科衛生士、歯科技工士の養成に携わっている。

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