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【窪谷日奈子医師】失明の可能性もある緑内障…1年で4割が受診しなくなる理由

 緑内障に対して、どんなイメージがあるでしょうか。「失明する怖い病気」という認識のある人は多いと思います。ところが、ある統計によると、緑内障と診断されても、1年後には4割が受診しなくなるとか。失明するかもしれないのに、病院に行かなくなるのはなぜなのでしょう。

 一番大きな理由は「痛くもかゆくもないから」です。自覚症状はないし視野が欠けている感じもしない。やたら高い目薬を出されたけれど、充血するし痛いし、さしても良い感じがしない…やがて受診が途絶えてしまうのです。ここで大切なのは「緑内障は自覚症状が出てから治療するものではない」という点です。視野が欠けたとわかるのはかなり進行した時で、一度欠けた視野は元に戻せません。自覚症状が出る前に治療を開始するのが理想なのです。

 「調子の悪い目薬を我慢して使わないといけないのか」というのは早合点。緑内障の目薬は先発品だけで19種類、2つの成分が入ったものが7種類、現在は合計26種類あります。それぞれに後発品があり、数えきれない種類があるのです。副作用や効果が違っていて同じ薬でも効き方が変わってきます。さし心地の良い点眼を探す必要があるのです。

 不調がある場合、医師に遠慮なく伝えるようにしましょう。「回数が少ない方がいい」「しみる」「値段が高い」など言っていただけたら、それぞれに合った目薬に変更することができます。

 目薬によっては、眠気・めまい・喘息・除脈などの作用が出ることがあります。重要な副作用は主治医が説明するはずですが、自分でも薬の説明書に目を通しましょう。目薬を始めて出てきた不調は無関係だと思っても伝えてください。

 緑内障は40歳を超えると20人に1人、70歳以上になると10人に1人の頻度です。まれな病気ではありません。少しでもストレスなく今ある視野を将来に残していけるよう、うまく目薬とつきあっていきましょう。

◆窪谷日奈子(くぼたに・ひなこ)医療法人社団吉徳会・あさぎり病院・眼科医長。眼科専門医。

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