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【松本浩彦医師】プロも近づきたがらない「チャドクガ」の毛虫

 今年は「チャドクガ」の当たり年のようです。「ガ」というよりその幼虫の「毛虫」が、タチが悪いのです。「茶の毒蛾」の言葉の通り、お茶の木だけでなく、同じツバキ科の植物に大発生します。体長が2センチほどの幼虫は集団生活し、ツバキやサザンカの葉に毛虫が群がっていたら、それは間違いなくチャドクガです。

 人を刺すのはおよそ50万本ある微細な「毒針毛」と呼ばれる細かいトゲです。毒針毛に触れると、しばらくして手のひらほどの範囲に赤い小さな発疹ができ、強い痒(かゆ)みがあります。発疹は数日でいったん消失するのですが、またしばらく経って、アレルギー反応がおこり、今度は体中にじんましんのような発疹が出ることもあります。

 発熱や目まいを生ずることもあり、1カ月以上症状が続くこともあるので、非常に厄介です。チャドクガは羽化して蛾になっても毒針毛を持っているため、毛虫に触れた覚えが無いのに、という患者さんが多いことも特徴です。

 さらに厄介なことに、この毛虫は年に2回、5~6月ごろと、9~10月ごろに大発生します。もし刺された場合は、決してこすったりかいたりせず、患部にセロテープを貼って剥がして、できるだけ毒針毛を取り除きます。そのあと流水でよく洗い流して、抗ヒスタミン剤かステロイド剤の軟膏を塗って下さい。もちろん、皮膚科の受診も忘れずに。

 私の家でも大量発生したことがあって園芸屋さんに来ていただいたのですが、数メートル離れたところから殺虫剤をふりかけて終わり。庭中に毒針毛が飛散しているため、雨が毛虫の死骸を洗い流してくれるまでは庭に出ないようにと、プロでさえ近付きたがらない毛虫。皆さんもよくよく注意して下さい。

◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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