【松本浩彦医師】インフルエンザの登校・出社停止「基本ルール」を知っていますか?

 インフルエンザにかかった場合、みなさんが一番心配されるのが、いつまで学校・仕事を休まねばならないか、ということでしょう。会社の場合は解熱後48時間を過ぎれば、他の人にうつすことがなくなるので出社可、としているところが多いようですが、業種によって、医療・介護とか飲食などのお仕事の場合、出社可能と判断するには厳密な計算と診断書を必要とすることもあります。

 学校で出席停止解除を認定するには、文部科学省による学校保健安全法に基づかねばならずもっと厳密です。法令では、インフルエンザ出席停止期間は「発症した後5日を経過」し、かつ、「解熱した後2日」で、最低「発症した後5日を経過」するまでとなります。このあたりがややこしいのです。

【1】「発症した後5日」について

(a)発症の取り扱い:「発熱」のみを症状とする。発熱以外の症状「関節の痛み」等は含まない。

(b)発症日の取り扱い:発熱が始まった日を基準とする。(病院受診時に、医師に発症日を相談・確認することが必要)

(c)日数の取り扱い:発症した日は0日目として、翌日から起算。発症した日(発熱が始まった日)は0日目なので含まない。

【2】「解熱した後2日」について

 日数の取り扱い:解熱した翌日から起算。解熱した日は含まない。

 解熱は36℃台とする。

 その後は解熱した日によって出席停止日が順次延長されていきます。

 1日目、2日目で解熱しても、登校できるのは6日目です。発症日(発熱した日)は0日と計算するので混乱しやすいですが、担当医とよく相談してください。

 私立の学校の場合、出席許可証もしくは出席停止解除証明書(どちらも同じですが)など、医師の発行する証明書がなければ登校できないところがほとんどですが、診断書料をとる先生もいらっしゃるため、たとえば阪神間の公立校では原則不要となっています。

 ◆筆者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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