【谷光利昭医師】蚊、蜂、ムカデに刺されたら…基本的な対処法を覚えておくべき

 この季節、蚊、蜂、ムカデなどに刺されて困る時期ですね。当院にも、患者さんが来院されることがあります。

 蚊に刺された場合は、市販のかゆみ止めを塗り込んで、局所を冷やすのがいいでしょう。当たり前のようですが、これが基本です。局所の炎症が強く、かきむしって細菌感染などおこすと厄介なことになることもあります。かゆくても、かかないでください。

 蜂に刺された場合は、まずその場から逃げましょう。蜂は敵を見つけるとマーキングをする習性があるとされています。他の蜂がそのマーキングに引き寄せられ、2次被害を引き起こす可能性があるのです。山や野原に遊びに行く場合、黒い洋服や強い香水などはつけない方がいいです。洋服や香りに蜂が引き寄せられますから。

 現場から逃げたら、毒を冷水で洗い流します。ミツバチなどは針が残っていることが多く、除去する必要があります。怖いのは、刺されて30分から1時間くらいで起こるアナフィラキシーショックです。強い気分不良、呼吸困難等が認められた場合はすぐに救急車を呼んでください。一般的に2回目以降に刺された人になるように言われていますが、当てはまらないことがあります。

 ムカデの場合は少し厄介です。かまれた場合、毒を洗い流すべきですが、冷水や40度以下のお湯で洗い流すと毒の特性で痛みが増すケースがあります。できれば43度以上で、やけどをしない程度のお湯で5分ほど洗い流してください。

 蜂、ムカデに刺された場合に毒を口で吸いだすことはやめてください。危険な行為です。洗い流すか、専用の吸引機がありますので、それで吸い出すのがより良い方法です。その後、可能であれば、抗ヒスタミン剤の内服、ステロイド剤を塗布するのがいいでしょう。症状が改善されず、痛みやしびれなどの症状が残るなら病院(皮膚科)に行くことをお勧めします。

 ◆筆者プロフィール 谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。デイリースポーツHPで「町医者の独り言」を連載中。

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