【松本浩彦医師】クラミジア肺炎は薬をちゃんと飲むことが絶対条件

 【Q】1週間以上、咳(せき)が続き、夜、布団に入ると咳が出て止まらないので病院に行ったらクラミジア肺炎と診断されました。どんな病気でしょうか?(50代男性)

 【A】眠れないほどひどい咳とのこと、なにかの病原体に感染していると考えるのが妥当です。そして「疑い」の患者さんのうち、血液検査すると、およそ7割の方がクラミジア肺炎と診断されます。怪しいなと感じたら、ほとんどクラミジア肺炎で当たりです。あとの2割はマイコプラズマ肺炎、これは耳にされたことがある方も多いでしょう。残り1割は、いわゆる咳ぜんそく、といったところでしょうか。

 「重症化や劇症化することはまずなく、抗生物質が非常によく効き、耐性菌などの報告もない」という反面、「放置すれば長期化し、慢性化する。経口の抗生物質が著効するが、最低でも2週間、場合によっては1カ月近く飲み続けねば根治しない」という、厄介な部分もありますので、やはり医療機関でちゃんと診断してもらって、きっちり治す必要のある病気です。

 確かに内服の抗菌剤が良く効きますが、長期間、飲んでいただく必要があります。細菌の一種なので、クラミジア肺炎に効く薬は比較的多いのですが、ちゃんと薬を飲むことが絶対条件です。子供は苦い抗生物質の服用を嫌がることが多いので、アイスクリームなどに混ぜたりするといいかもしれません。ちなみにスポーツ飲料で飲むとかえって苦く感じてしまうのでNGです。

 クラミジア肺炎は重症化が少なく、学校保健法では登校停止にはなりません。ちゃんと抗菌剤を飲み続ければ治りますが、予防も大切です。飛沫(ひまつ)感染ですので、家族内では親から子供というより、むしろ同世代の人にうつりやすい傾向があります。ご夫婦そろって通院してこられることも多いので、その点も注意して下さい。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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