【谷光利昭医師】痛い五十肩…治療はさまざま 無理は禁物です

 【Q】肩が上がりません。いわゆる「五十肩」だと思います。痛いです。(50代男性)

 【A】凍結肩、肩関節周囲炎、癒着性関節包炎とも呼ばれています。明確な原因がないのに、肩が非常に痛く、動きが制限されている状態です。まずは、整形外科を受診して他に悪い病気がないかを診てもらわないといけません。時々、悪性腫瘍であったり、骨と筋肉を継いでいる部分が切れていることがあるからです。その際には、もちろん「五十肩」とは違う治療が必要になってきます。

 専門の先生から五十肩の診断がついたときの話をします。発症して間もない時期は、痛みのある肩の安静を保ちます。三角巾などを使用して肩の負担を軽減したり、カイロなどで保温します。寝る時には、痛みがある方の肩の下に枕やタオル、クッションなどを入れて若干傾いた状況で寝ると肩への負担が軽減されます。痛みが強ければ、痛み止めを飲んだり、ヒアルロン酸や、ステロイドの注射を肩にすることもあります。

 痛みが落ち着いてくると、肩が固まってしまわないように無理のない範囲でのリハビリが大切になります。専門医の指導のもとに軽い痛みを伴うくらいの運動を自分で、あるいは人にしてもらいます。ダンベルなどを使った特殊な体操もありますが、必ず専門医の指導を受けることが大切。無理な運動や負荷をかけると必ず痛みが強くなるからです。このような運動やストレッチを行っても症状が改善しない場合は手術を行う事もあります。

 あと、一般的ではありませんが、私のところに、リハビリで改善しない人が相談に来られました。左腕がほとんど動かなかった初老の女性でしたが、ある漢方薬と自分でするストレッチを励行することにより、数カ月で、ほぼ以前の状態に改善して水泳ができるようになりました。

 このようにさまざまな治療法があります。改めて気を付けて頂きたいのは、ご自身で「五十肩」と決めつけず、まずは受診して正しい診断をしてもらうことです。

 ◆谷光利昭(たにみつ・としあき)兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。デイリースポーツHPで医療コラム「町医者の独り言」を連載中。

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