【荒木正医師】この時期が危険!熱中症を防ぐには…

 【Q】都心で一人暮らしをしてますが、この時期になると息子夫婦から熱中症に注意するように言われます。日常生活でどのような点に注意したらいいでしょうか。(80代男性)

 【A】ここ最近の地球温暖化に加え、都市部でのヒートアイランド現象もあり、日本とりわけ都市部の夏は世界に比べ高温かつ多湿が顕著です。熱中症になりやすい気象条件としては、この気温が高い、湿度が高い以外にも、風が弱い、日射・輻射(太陽からの日射、地表面での反射)が強いといった気象条件から生じやすく、熱中症患者も年々増えています。

 熱中症にかかる人の数は真夏よりも、梅雨明け後から7月中旬にかけて多くなる傾向にあります。起こりやすい状況としては、日中に屋外で運動や作業される若年~中年の方に多いですが、これらの人は総じて重症になりにくいです。

 重症になる方の特徴としては、心臓病や脳梗塞などの持病をもち、都市部の木造住宅で独居生活をする高齢者が、屋外ではなく屋内で熱中症になる場合です。また、その多くの方でエアコンの未設置、または設置をしていても未使用という特徴があります。

 先ほどの気象条件と照らし合わせ気温や湿度だけではなく、室内の風通しをよくすることや、直射日光を避けること、外出する際には帽子や日傘などでの日除けにも気を配りましょう。

 次に水分摂取ですが、一般的には熱中症の予防には真水よりもスポーツドリンクのほうが適しています。これは脱水症の際には水分と同様に塩分も消費されるためだからです。そのスポーツドリンクでも塩分より糖分の割合が多いことから、外出前にはスポーツドリンクに加え梅干しや梅昆布などを摂取しておくのも有効です。

 高齢者は体内の水分量が少ない上に、自分でも脱水症になっていることに気づきにくいことから、より注意をして水分や塩分摂取を行いましょう。持病のある方は、ぜひ個々の適切な水分摂取量について主治医にも相談してみてください。

 ◆荒木 正(あらき・ただし)03年、東邦大学医学部卒。東邦大学医療センター大橋病院などに勤務後、16年に東京都江東区に亀戸内科クリニック開設。循環器・糖尿病内科医として地域に密着。総合内科専門医。循環器専門医。

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