【荒木正医師】高血圧の食事療法は減塩食とDASH食で

 【Q】健康診断で血圧が高いと指摘されました。食事と運動に気を付けるように言われましたが、食事はどのようなことに気をつければ、よいのでしょうか?(40代男性)

 【A】高血圧は日本で最も多い生活習慣病で、患者数は4300万人に達するともいわれています。多くの場合で無症状ですが、進行すると脳卒中、心臓病、腎臓病などを招く恐れがあり、予防ならびに治療が重要です。治療は食事療法、運動療法、薬物療法に大別されますが、とりわけ食事療法では減塩食とDASH食(※)をうまく組み合わせることが効果的と思われます。

 日本人の食塩摂取量は年々低下傾向にあるものの、1日平均10・4グラムと、諸外国と比べても多いとされています。厚生労働省や日本高血圧学会では、健康な方の一日の食塩摂取量について男性8グラム未満、女性7グラム未満、高血圧の方で6グラム未満を推奨しています。減塩の方法としては食事量全体を減らして塩分を減らす方法と、塩や醤油などの調味料の使用を控える方法の2つに大別されます。調味料を料理に直接かけるのではなく、お皿に取ってつけることや、ラーメン・そば・味噌汁の汁を飲まないことなどの工夫が有効です。

 続いてDASH食ですが、これはアメリカで提唱された高血圧患者に対する食事方法です。野菜、果物、低脂肪の乳製品、魚、大豆製品、海藻を増やし、肉や脂肪を減らすことが勧められています。また、食事の量を減らすことよりも食事の中身を野菜や果物、豆類に変えることで血圧の上昇を抑えることに重きを置いております。

 これら、減塩食とDASH食を組み合わせることが高血圧の食事療法として有効ですので、ご自分の食習慣に合わせて工夫してみてください。

 (※)DASH食 Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事方法)の略語で、体内から塩分の排泄を促す食材を摂取することで、高血圧を防ごうとする食事方法

 ◆荒木 正(あらき・ただし)03年、東邦大学医学部卒。東邦大学医療センター大橋病院などに勤務後、16年に東京都江東区に亀戸内科クリニック開設。循環器・糖尿病内科医として地域に密着。総合内科専門医。循環器専門医。

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