【荒木正医師】睡眠時無呼吸症 重症ならCPAP療法が有効

 【Q】寝ている際のいびきが大きく、たまに呼吸も止まっていると妻より言われました。どういった検査や治療を受ければいいのでしょうか?(50代男性)

 【A】前回は睡眠時無呼吸症の検査について述べさせていただきました。今回は治療についてご説明したいと思います。

 治療は「減量」「マウスピース」「CPAP療法(※)」「外科的手術」の四つに大別されます。一概にどの治療方法が優れているということはなく、重症度や原因に応じてこれらの治療法を組み合わせて検討するのが望ましいです。

 この中で最も簡単・安価な方法は減量です。肥満気味の方は首・喉まわりの脂肪が気道を狭くしている可能性がありますので、減量は軽症から重症の方まで大変有効です。

 「マウスピース」は、寝ている最中に口の中に入れ、下あごを上あごよりも前方に出すようにすることで上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぎます。軽症から中等症の方に有効ですが、必ずしも全ての方に効果的な治療方法というわけではありません。マウスピースの作製は手軽で出張時などにも持って行くことができるので、CPAP療法と併用するケースもあり、作成は専門の歯科医にお願いしております。

 CPAP療法は重症の睡眠時無呼吸症に最も有効な治療方法として、現在国内や欧米で最も普及しており、多くの研究によって治療効果が証明されています。治療が開始されるとCPAP本体のレンタルならびに鼻マスク、チューブなどの消耗品を含めクリニックから支給され、月1回の通院治療の費用は患者さんの自己負担(3割)で約5000円となります。

 ただ、CPAP療法は睡眠時の無呼吸を根本的に解決する治療法ではありません。このために半永久的に使用することが多く、減量などの根本的な治療は継続していく必要があります。

 ※CPAP(シーパップ)療法 経鼻的持続陽圧呼吸療法。寝ている間の無呼吸を防ぐためにCPAP装置からエアチューブを伝い、鼻につけたマスクへ空気を送り続けて気道を開存させておく治療法。

 ◆荒木 正(あらき・ただし)03年、東邦大学医学部卒。東邦大学医療センター大橋病院などに勤務後、16年に東京都江東区に亀戸内科クリニック開設。循環器・糖尿病内科医として地域に密着。総合内科専門医。循環器専門医。

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