【松本浩彦医師】「肩こり」は血のめぐりを良くしよう

 【Q】デスクワークをしているとすぐに肩が痛くなります。何かいい治療法はないのでしょうか。(50代女性)

 【A】冬になると「肩こり」を訴える患者さんが多くなります。もちろん、痛み止めの飲み薬や湿布、もしくは温熱療法などの治療で応急的に対応するわけですが、肩こりの原因もいろいろで、当然それぞれ治療法も異なります。

 もともと背骨が曲がっているため姿勢が悪くて肩こりが起こっている人。頚椎椎間板ヘルニアなど、首の骨の変形でおこっている場合。そしてもう一つ。人は寒くなると肩をすくめます。これが原因になっておこる肩こりが、実は冬場には非常に多くなるのです。

 特に外でお仕事をされている方は、冬になるとどうしても肩をすくめて首をちぢめる格好になりがちで、この時期だけ肩がこるということになるのです。骨の変形が原因の場合は牽引や運動などの理学療法、ひどいときは手術も必要になりますが、「肩すくめ」でおこる冬場限定の肩こりは「温めること」が治療の基本です。

 たとえば骨折にしても、肝炎などの内臓疾患にしても、医師や薬が治してくれるのではありません。生物本来が持つ自然治癒力があってこそで、われわれ医師はそのお手伝いをしているに過ぎません。そして自然治癒の基本は「血のめぐりを良くする」こと。血のめぐりを良くするには、まず温めることです。

 冬場に肩こりに悩まされている人は、たとえば毎日シャワーではなく、かならず肩まで湯船に浸かって首すじを良く温める。背中の上の方、左右の肩甲骨の中間あたりに使い捨てカイロを貼って出掛けると、血液を温めつつ、血のめぐりも良くなり、症状が改善されます。体操やストレッチ、マッサージなども効果がありますが、結局は血のめぐりを良くすることが目的なのです。

 腰痛の方にもカイロを貼るというのはお奨めです。ただし、直接肌に貼ると火傷になりますから、肌着の上から貼るように注意して下さいね。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)兵庫県芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤研究会会長。

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