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【荒木正医師】スギ花粉症の「舌下免疫療法」遅くとも12月下旬にはスタートを

 【Q】毎年スギ花粉症で悩んでいます。新しい治療法があると聞きましたが、どういったものでしょうか?(40代男性)

 【A】スギ花粉症に対する舌下免疫療法が一昨年より保険適応になりました。ごく少量のアレルゲン(※1)を体内に入れて自らが免疫を作るアレルゲン免疫療法(※2)一種です。

 以前はアレルゲンを注射する皮下免疫療法が行われておりましたが、週1回程度のペースで注射が必要のため、利便性が悪く、あまり普及しておりませんでした。舌下免疫療法は、その名の通り、舌の下(言いにくいですが…)に薬を入れ、2分間保持した後に飲み込むだけの簡単な治療法です。通院回数も月1回程度と少なく、痛みもなく、自宅で簡単にできることから徐々に広まっています。

 肝心の効果についてですが、治療を行った方の約30%で花粉症が劇的に改善し、約50%の方で症状が楽になったとされています。残念ながら約20%の方では治療効果がありませんが、どのような方に効果がないかは、まだよくわかっておりません。

 また、即効性がないこと、治療が3-5年と長期に渡ること、スギ花粉以外のアレルギーに対しては効果がないことなどの問題点もあります。副作用は理論的には舌下直後にアナフィラキシーとよばれる強いアレルギー反応を起こす可能性がありますが、これまでの報告ではこのような重篤な副作用はほとんどなく、口腔内に違和感をわずかに生じる程度です。効き目があらわれるのに2-3カ月程度かかり、スギ花粉が飛散している時期には、治療を開始できないことから、地域にもよりますが、遅くとも12月下旬までには治療を開始して頂くことをお願いしております。

 ※1 アレルゲン アレルギー症状を引き起こす原因となるもの。スギ花粉症であればスギ花粉がアレルゲンとなる。

 ※2 アレルゲン免疫療法 アレルゲンを極少量から投与し、徐々に増やしていくことでからだをアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法で、減感作療法や脱感作療法とも呼ばれる。

 ◆荒木 正(あらき・ただし)03年、東邦大学医学部卒。東邦大学医療センター大橋病院などに勤務後、16年に東京都江東区に亀戸内科クリニック開設。循環器・糖尿病内科医として地域に密着。総合内科専門医。循環器専門医。

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