ロッテ・佐々木朗希 バランスを崩した投球が物語る、生命線と課題
まるで別人だった。17日の西武戦(ベルーナドーム)に先発し、3回3失点で今季4敗目を喫したロッテ・佐々木朗希投手(21)だ。
初回、先頭打者の岸に対する2球目。リリース時にバランスを崩した。腰が入っておらず、投げ終わると一塁側に大きく体が流れた。ワンバウンドのボール球。恐らくフォークを投げたのだろうが、ここまでバランスを崩したのは珍しい。
投球後にマウンドに視線を落とし、足場を気にするそぶりを見せた。マウンドが柔らかく、踏ん張れずにバランスを崩したのか。柔らかい部分を避け、ステップ幅を狭めたために体重移動がうまくいかなかったのか。“令和の怪物”の特徴は、高く上げた左足を、ホームに向かって大きく踏み出す、下半身主導の投球フォームだ。初めてのマウンドで、本来の投球ができなかったのだ。
70球中、160キロは1球のみ。フォークボールの制球も悪く2者連続の死球で先制点を献上した。前回登板(9月10日のオリックス戦、ZOZOマリン)は最速161キロを連発するなど、復帰をアピールする気迫のピッチングが印象的だっただけに、この日はまるで別人のようだった。
下半身主導のフォームで投げるからこそ、怪物は怪物たり得る。どんなマウンドにも対応できる下半身の強化が課題か。(デイリースポーツ・開出牧)





