叔父の元横綱朝青龍の姿を思い起こさせる 流血辞さない豊昇龍の闘志
闘争心は叔父譲りか。正代を寄り切り、10勝目を挙げた前頭六枚目の豊昇龍(22)だ。
22日、両国国技館で行われた大相撲初場所14日目。大関正代との一番で、土俵際で投げの打ち合いとなり、手をつかずに顔から落ちた。顔をすりむき、額からは出血。痛みをこらえながら立ち上がったが、物言いがつき、協議の結果、同体取り直しとなった。
すると、闘志に火がついたかのように、取り直しの一番でも土俵際で粘りを見せ、寄り切りで大関を破った。場内に鳴り響く拍手の中、私の脳裏に豊昇龍の叔父で、第68代横綱・朝青龍の姿が浮かんだ。一番一番、土俵の空気を変えるほどの闘争心をみなぎらせる姿。カメラを握る手に、思わず力が入ったものだ。
この日は西側通路では八角理事長と共にプロ野球・巨人の長嶋茂雄終身名誉監督も観戦していた。横綱照ノ富士や関脇御嶽海らの優勝争いが注目される中で、流血辞さずの執念を見せる姿に、ファイティングスピリットを感じた。(デイリースポーツ・開出牧)