悲願の日本シリーズ初勝利 ヤクルト・石川雅規投手が見せた勝利への執念

6年ぶりに巡ってきた日本シリーズの先発マウンドに足を踏み入れ、真っさらのプレートに左手をそっと置くヤクルト・石川雅規=24日、東京ドーム(撮影・開出牧)
6回オリックス2死一塁、吉田正尚を二飛に打ち取り、ガッツポーズを見せるヤクルト・石川雅規=24日、東京ドーム(撮影・開出牧)
大舞台で発揮されたベテランの味!6回1失点で日本シリーズ初勝利を挙げたヤクルト・石川雅規=24日、東京ドーム(撮影・開出牧)
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 思いの強さが伝わってきた。日本シリーズ初勝利を挙げたヤクルト・石川雅規投手(41)である。

 24日、東京ドームで行われた日本シリーズヤクルト対オリックス第4戦。先発マウンドに足を踏み入れたベテラン左腕は、ピッチャープレートに左手をそっと置いた。一瞬だったが、象徴的なシーンだった。

 プロ野球ファンの脳裏によみがえったのは、手術痕が刻まれている右腕を置いて祈りを捧げた巨人の桑田投手や引退試合で右手を置いてマウンドに別れを告げた西武・松坂投手ではないだろうか。いずれにしても野球人生の節目となるマウンドだった。

 石川は、2015年の日本シリーズでソフトバンク相手に2戦2敗という屈辱を味わっている。6年ぶりの日本シリーズは、ようやく巡ってきた雪辱のチャンス。立ち上がりから巧みな投球術でオリックス打線を翻弄(ほんろう)。6回2死一、二塁で吉田を二飛に打ち取ると、渾身のガッツポーズを決めた。

 41歳10カ月。セ・リーグでは日本シリーズ最年長勝利投手となった。6回1失点の好投もさることながら、プレートに左手を置く姿に“執念”を感じた。初めての大舞台を経験するナインの士気を高めたにちがいない。

 熱戦に次ぐ熱戦で3勝2敗。決戦の舞台は神戸に移った。どちらが勝っても不思議ではない。最下位からの下克上対決を制するものは、執念か。(デイリースポーツ・開出牧)

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