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引退会見で見た大久保嘉人のもう一つの姿

 希代のストライカーC大阪・大久保嘉人が引退を発表した。22日、大阪市内のホテルで行われた会見で、登壇し第一声を発すると同時に涙があふれ出した。「泣かない予定だったんですが、速攻泣いてしまい、すみません」

 国見高校時代から負けん気の強いプレーで得点を量産し、C大阪、スペインのマジョルカ、そして日本代表でも2度W杯に出場するなど輝かしい成績を残してきた。一方で荒々しいプレーとけんか腰の言動でも注目を集めた大久保。良くも悪くもあんなに野性的で貪欲にゴールを欲していたストライカーはいなかった。

 一度は涙を拭い、笑顔を見せていた会見の終盤、13年に他界した父・克博さんへの思い出を聞かれると、再び止めどなく涙がこぼれた。今年、C大阪に復帰してからは三男と二人暮らしで家事もこなしていた大久保。会見場のステージに一番近い場所には「パパ、20年間お疲れ様」と書かれた息子4人から贈られた花が飾られていた。ピッチを離れればいつも家族を大切にした。

 会見後、機材を片付け会場を出る前にもう一度を広い宴会場を見回したら、記者が座る席の間に大久保の姿が見えた。原稿執筆中の記者一人一人に丁寧にあいさつしてまわっていたのだ。

 本人は「整理がついた」と話していたが、できることならば、前人未踏のJ1通算200ゴールを見たかった。だが、いつかピッチサイドで熱く指揮を執る姿が見たい。何度もお辞儀する大久保の姿を見ながら、そう思った。

(デイリースポーツ・吉澤敬太)

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