撮影する側にとっても光栄な朝乃山の記念すべき初優勝
“令和初優勝”に立ち会えたことは、カメラマン冥利(みょうり)に尽きる。今月25日に両国国技館で行われた大相撲の夏場所14日目。前頭八枚目の朝乃山(25)=高砂部屋=が大関豪栄道を寄り切り、58年ぶりとなる三役経験なしの平幕Vを果たした。そこへ私は向正面の2階席から望遠レンズを向けていた。
豪栄道と朝乃山が対峙(たいじ)する土俵に、たくさんの懸賞旗が並ぶ。初場所中に横綱稀勢の里が引退し、今場所は横綱白鵬が休場。世代交代を告げるかのように、夏場所の主役に、朝乃山が名乗りをあげた。
館内のそこかしこで「朝乃山」の文字が揺れ、期待の大きさを感じさせる。文句なしの寄り切りで大関を破ると、結びの鶴竜の一番を結果を待たなければならないにもかかわらず、館内に優勝が決まったかのような大歓声と拍手が響き、シャッター音はかき消された。
興奮冷めやらぬ結びの一番。横綱鶴竜は大関復帰がかかる栃ノ心にはたき込みで敗れ、館内は興奮のるつぼと化した。
令和初となる、記念すべき優勝を“激写”できて、光栄である。新時代も、感動のシーンを、追い続けたい。(デイリースポーツ・開出牧)