ＤｅＮＡ・筒香嘉智外野手（２７）が３日、キャンプ地の宜野湾私立野球場で、外国人選手のロペスやソトらと共にユニークな体幹トレーニングを行った。

　ドン、ドン、ドン！練習も終盤に差し掛かった時だった。一塁側の通路に鈍い衝突音が鳴り響き、大勢のファンが集まった。

　謎の音の正体をつかむため急行すると、ロペス、筒香、ソトが横一線に並び、トレーナーが笛を吹いた瞬間に、バスケットボール大のトレーニングボールを壁に向かって、一斉に投げていた。

　バッティングにどう生かされるのだろう。素朴な疑問が湧いた私は、練習後の囲み取材に応じたソトに聞いてみた。通訳によると「打撃に限らず野球に必要な体幹を鍛えるためのトレーニングです」という答えだった。

　その時、私の頭に浮かんだのは、真剣な表情で体幹トレーニングに取り組む筒香の姿だった。

　１月２５日、外国特派員協会で開いた会見で、筒香はアマ野球の指導方法の問題点について語り、大きな反響を呼んだ。従来の過度な練習や指導者の非合理的な考えに警鐘を鳴らし、球数制限やトーナメント制の導入など、子供の将来を考えた指導を訴えた。

　野球に必要な体幹を鍛える、合理的なトレーニング…。ファンの前で、はばからず取り組む姿に、無言のメッセージを感じた。（デイリースポーツ・開出）