ヤクルト・小川の投球フォームは、古き良き時代を思い出させてくれる
日本のプロ野球界で個性的な投手と言えば、ノーラン・ライアンのような豪快な投球フォームで活躍するヤクルト・小川泰弘投手(28)が頭に浮かぶ。
1日の巨人戦(神宮球場)に先発し、7回1失点の好投で、ヤクルト投手では金田正一以来、60年ぶりに巨人戦8連勝を記録した。
撮影した写真を見ると、左足を胸まで高く上げ、あごを引いた顔は目を閉じている。教科書通りではないフォームであることは一目瞭然である。
足を高く上げ過ぎればバランスを崩すだろうし、キャッチャーミットから目を離せば制球を乱す。しかし、身長171センチと小柄な小川は、プロ野球で生き抜くために教科書を捨て、その強じんな足腰によって打者を威圧するダイナミックな投球フォームを作り上げたのだ。
一昔前は、村田兆治投手や野茂英雄投手など、個性的なフォームの大投手がいたが、最近は、身体のメカニズムを重視したフォームを追求するためか、個性的なフォームの投手が少なくなった。
マサカリ投法やトルネード投法、その他にも個性的な投手が活躍していた時代のプロ野球に魅力を感じる。小川のフォームは、そんな古き良き時代を思い出させてくれる。思わずレンズを向けたくなる選手だ。(デイリースポーツ・開出牧)