【野球】先発陣強化に取り組む広島の課題とは スタミナと頭脳ダブル強化 野村2軍コーチ「来季の戦いはもうスタートしている」
広島がみやざきフェニックス・リーグで先発陣の強化に取り組んでいる。テーマはスタミナと頭脳のダブル強化。今季1軍で規定投球回に到達したのは、国内FA権の取得条件を満たした床田寛樹投手(31)のみ。来季のV奪還へ向け、若鯉たちの突き上げが命題となる中、課題克服へ挑むチームの試みに迫った。
今季、チームで投球回1位と2位の床田と森下が、ともに国内FA権の取得条件を満たした。両投手の去就は不透明。今季から先発に転向した栗林と岡本の奮闘もあったが、手厚い先発層の構築は喫緊の課題となっている。
そうした中で7日から開幕したみやざきフェニックス・リーグでは、若鯉先発陣の底上げに向けた取り組みが進められている。まずはスタミナ強化。すでに先発として経験を積んでいる佐藤柳、斉藤優、斉藤汰の3投手は「完投または120球」というノルマが設定されている。実際に斉藤優が2試合で計235球、斉藤汰も2試合で計249球、佐藤柳は10日・四国IL選抜戦で1失点完投。斉藤優は「シーズン中はベストな状態で投げられることはそうそうない。そういった中でも試合をつくれるように」と、実戦で徹底的に投げる体力を鍛えている。
過酷な実戦で身体を追い込む一方で、日々のブルペンでも変化があった。試合の2日前に行う投球練習に加え、同リーグ開幕前に選手自身が首脳陣へ提出した課題に基づく「課題ブルペン」を設定。変化球のキレや制球力など、個々のウイークポイント克服に特化して球数を投げ込んでいる。
身体面の強化と並行して進めているのが、来季からNPBで本格導入されるサイン伝達機器「ピッチコム」を用いた頭脳面の強化だ。チームは今リーグで、投手主導の配球に挑戦。10日・四国IL選抜戦では佐藤柳が、15日・楽天戦では斉藤汰が自らサインを出して配球を組み立てた。佐藤柳が「試合を通して、より自分で配球を考えるようになった」と手応えを示した一方、斉藤汰は「走者を出してから受け身になって配球してしまった」と反省点を掲げた。投手が自らサインを発信することで、打者との駆け引きに対する意識を高めようと試みている。
指導にあたる野村2軍投手コーチは「若い力が(ローテ争いに)入っていかないとチームが強くならない。来季の戦いはもうスタートしているのでね」とハッパを掛ける。宮崎で飛躍のきっかけをつかみ、来季の先発ローテに食い込む“新戦力”となるため、若鯉たちが南国・宮崎で汗を流す。(デイリースポーツ・高橋涼太朗)
