【スポーツ】日本よ、クロアチアに借りを返し、悲願のW杯ベスト8入りを果たせ!

 ワールドカップ(W杯)の借りはW杯で返す。森保ジャパンよ、クロアチアを打ち負かし悲願のベスト8入りを果たせ。

 ドイツ、スペインというW杯優勝経験国を破り、2大会連続の決勝トーナメント進出を果たした日本の次戦の相手は、前回準優勝のクロアチアだ。FIFAランキング12位の同国は24位の日本より格上とされるが、今回は2位・ベルギーが1次リーグで敗退。1位のブラジルも43位・カメルーンに敗れている。ジャイアントキリング(大番狂わせ)連発の大会では、ランキングの上下はあまり意味がない。

 W杯における日本-クロアチアには切っても切れない因縁がある。過去の対戦成績は1勝1敗1引き分けと互角の勝負を演じているが、W杯に限れば1敗1引き分けで、2大会とも決勝トーナメント進出の夢を絶たれているからだ。

 最初の対戦は1998年のW杯フランス大会グループステージ第2戦(6月20日・ナント)だった。日本が初出場を果たしたこの大会を取材するため、私はスイス・ニヨンでの事前合宿からチームに帯同していた。初戦のアルゼンチン戦(6月14日・トゥールーズ)に0-1で敗れた日本には後がない状況だった。

 この試合、日本はアルゼンチン戦と同じ3-5-2で臨み、立ち上がりから積極的に攻めていた。惜しい場面はあった。前半33分、自陣右サイドでボールを奪った司令塔・中田英寿(45)がカウンターを仕かけ、ゴール前に走り込んだ中山雅史(55)に絶妙なクロスを供給。中山はシュートを放ったものの相手GKの好セーブに阻まれ先制点を挙げられなかった。

 その後は相手チームの個々の力に攻め込まれるシーンが増えていったと思う。中盤でのパスをカットされ、鋭いカウンター攻撃の餌食になったのは後半32分だった。一度はエリア内へのスルーパスを防いだが、そのこぼれ球を拾われ、最後はダヴォール・シューケル(54)に左足でのシュートを決められてしまった。日本はこの1点をはね返せず、そのまま敗戦。2試合を終了した時点で、ノックアウトステージ進出の夢を絶たれてしまった。

 翌日の代表練習の取材をするため原稿を会社に送信した後、ナントから寝台車で代表の拠点・エクスレバンに戻った。その車両にはかなりの数の報道陣やサポーターが同乗していたが、静まりかえっていたことを覚えている。

 2006年のドイツ大会の対戦(6月18日・ニュルンベルク)では0-0のスコアレスドローに終わりグループ最下位。グループリーグ突破には第3戦のブラジル戦(6月22日・ドルトムント)で2点差以上の勝利が求められる状況となった。だが、結局1-4の大敗で、大会を終えた。

 日本はW杯でクロアチアに苦しめられてきた。確かに2018年にバロンドールを受賞したルカ・モドリッチ(37)、英プレミアリーグ・チェルシーでプレーするマテオ・コバチッチ(28)、マルセロ・ブロゾビッチ(30)=インテル=が中盤でプレーするチームは侮れない。それでも、ベスト8進出をかけた試合(2日、アル・ジャヌーブ・スタジアム)は、日本がこれまでの借りを返す絶好の舞台になることは間違いない。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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