【野球】元ソフトバンク、中日の亀沢監督 就任1年目で全国大会へ「プロで教わったことを選手に伝えた」

中日時代のショウワコーポレーション・亀沢監督=2018年4月8日
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 岡山で活動するクラブチームのショウワコーポレーションが、第46回全日本クラブ野球選手権大会(27日開幕、等々力球場など)に中国・四国代表として出場する。指揮を執るのは、岡山出身でプロ野球のソフトバンク、中日に在籍した亀沢恭平監督(33)。就任1年目で全国大会への切符を手にした。

 96年に前身の柵原クラブが同大会に初出場して以来、26年ぶりの快挙だ。昨年11月に就任した亀沢監督は、プロで学んだ練習方法や知識を選手にぶつけた。その結果が、全日本クラブ野球選手権の中国地区予選、中国・四国二次予選で4連勝につながった。

 「プロで教わったことを選手に伝えた。選手も言われたことを分かるようになって、それがうまくかみ合った」

 俊足、堅守を売りに11年度のドラフト会議でソフトバンクに育成2位で入団。活躍の場を求めて14年オフに中日へ支配下登録選手として移籍した。移籍1年目の15年には107試合に1軍出場するなど活躍。17年には2本塁打も記録した。19年オフに退団すると沖縄初のプロ野球チーム・琉球ブルーオーシャンズでコーチ兼任として入団。現役引退後に地元に戻り、指導者としての道を歩みはじめた。

 就任当初を「選手は名前も売れてないし、どこにも行けない子がほとんど。レベル的には低かった」と振り返った。就任前はチーム練習は週末が主で平日は自主練習だった。それが一変。平日は午後5時から夜中に及ぶこともある。週末は1日中だ。「ブラックと言われるかもしれません」と笑ったが、練習時間は半端なかった。

 そしてチームに大きな刺激も与えた。中日、琉球でチームメートだった元プロ野球選手の杉山翔太捕手をコーチ兼任で招いた。「元プロがグラウンドでやることは、選手に刺激になった」と“生きた教材”を入団させ野球を学ばせた。また、米大リーグ・エクスポズでマイナー契約、韓国プロ野球で活躍した森一馬トレーナーとともにチーム改革を果たした。

 亀沢監督は「僕は簡単な指導しかしていないけど、継続することが力になると思っている。僕らの感覚と今の選手は違うことも多い。壁にぶち当たるとリセットされる。それでもやり続けることが形になる」と根気強く指導した。

 クラブ選手権の切符を手にして「今年は勉強と思っていたが、選手は予想以上の結果を出してくれた」と成長した選手を褒めた。

 ただ、満足はしていない。「目標は企業チームを倒すこと。都市対抗予選を戦って、ほど遠いと感じた」と発展途上のチームであることを強調した。監督1年生は、クラブ選手権を足掛かりに、故郷のチームをまだまだ強くしていく。(デイリースポーツ・岩本 隆)

 ◆亀沢 恭平(かめざわ・きょうへい)1988年10月15日生まれ、33歳。岡山県出身。作陽高から環太平洋大、四国ILp・香川を経て11年度ドラフト会議の育成2位でソフトバンクに入団。14年オフに中日に支配下選手として移籍。19年オフに退団し、琉球オーシャンズのコーチ兼任内野手を経て21年11月にショウワコーポレーションの監督に就任した。NPBでの通算成績は421試合に出場し941打数249安打2本塁打40打点、打率・265。

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