【野球】巨人は大勢を宝の持ち腐れにしてしまうのか 広島・栗林ら新人最多セーブ記録更新も微妙か

22セーブ目を挙げガッツポーズする巨人・大勢=22日・東京ドーム(撮影・佐藤厚)
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 投壊状態の巨人は、このまま大勢(23)が宝の持ち腐れになってしまうのか。DeNA・山崎康晃(29)、広島・栗林良吏(25)の持つ新人投手の最多セーブ記録更新は微妙か。

 セ・リーグ2位に位置しているが、巨人の戦い方に勢いがない。その大きな要因になっているのが、投手陣だ。試合数の違いはあるが、失点数は12球団断トツの344。チーム防御率も12球団最低のDeNAの3・85と僅差の3・82。7月3日を終了した時点で、貯金1で踏みとどまっているのが不思議なぐらいだ。

 投手陣の調子が上がらない状態が続いているため、新人守護神・大勢がセーブを挙げる機会が減っている。開幕月の3月でも4試合に登板して4セーブを記録。4月は9試合の登板で1勝7セーブ。5月もプロ初黒星を喫したが、7セーブを挙げている。

 ところが6月は7試合で4セーブにとどまっている。大勢は7月3日の広島戦(マツダ)で23セーブ目を挙げたが、22セーブを記録したのは6月22日のDeNA戦(東京ドーム)だった。

 大勢はここまで新人ながら30試合に登板して1勝1敗22セーブ1ホールド、防御率2・43と文句の付けようがない数字を残している。このままチームがリーグ優勝を果たさなくても、最優秀新人(新人王)のタイトルは間違いないだろう。

 だが、このままセーブを記録する場面での登板数が減り続けると、当初は確実視されていた新人投手の最多セーブ記録更新がどうなるのだろうか。現在、その記録を保持しているのは、DeNAの山崎と広島の栗林のふたりだ。

 山崎は新人だった2015年、シーズン通算2勝4敗37セーブ7ホールド、防御率1・92と大活躍し、新人王にも輝いた。また、0勝1敗、防御率0・86で新人王のタイトルを獲得した栗林の挙げたのも37セーブだった。

 更新にはかなりハードルが高い記録と思われていたが、大勢は6月4日のロッテ戦(東京ドーム)で、チーム60試合目ながら12球団最速の20セーブを記録。1990年に当時、中日でプレーしていた与田剛(56)の68試合をも更新した。それだけに新人投手初の40セーブも夢ではないと思っていた。

 だが、このまま先発、中継ぎ陣が再整備されない状況が続けば、当然、セーブを挙げる場面が減ってきてもおかしくはない。

 選手としてはチームの勝利を最優先し、個人記録にこだわるべきではない。記録は後からついてくる。だが、ルーキーイヤーが一生に一度であることも事実だ。巡ってきたチャンスを逃す手はない。大勢がセーブを挙げるということは、チームが勝利するということとはイコール。ヤクルトの独走状態にストップをかけ、ペナント・レースを少しでも面白くする新人投手の投球を1試合でも多くみたいものだ。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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