文字サイズ

【野球】成長期の子どもたちの未来を守る「侍ジャパン健康診断」 3年ぶりに再開

 子供たちの未来を守る取り組みが再開された。5日に都内で行われた野球日本代表「侍ジャパン」U-12代表の最終トライアウトで、参加した全33選手に「侍ジャパン健康診断」が実施された。

 全日本野球協会(BFJ)がNPBエンタープライズの協賛を受けて実施しているが、新型コロナ禍で国際大会が中止となっていた影響もあり、同健康診断の実施は19年以来、3年ぶりとなる。

 侍ジャパンの健診は医師による問診、理学療法士による肘の角度、肩の可動域などの確認が行われる。その中でも重要なのが医師による超音波検査だ。

 健診に参加している可知芳則医師は、超音波検査での肘の「離断性骨軟骨炎」の発見を重要視する。「離断性骨軟骨炎は重傷のタイプの野球肘。U-12では特にこの離断性骨軟骨炎を早期発見し、悪化をさせないように育てていくことが大事になる」と説明した。

 侍ジャパンとして、各世代の代表でも世界一こそが最大の目標だ。ただ、成長期に差し掛かるアンダー世代では、体の異常を早期に発見することで選手たちの未来を守ることも同様に重要となる。

 19年に実施された際も「成長期の子供たちを守るために大事なことだという感触はあった」(可知医師)というが、その後は新型コロナ禍によって機会が失われた。それだけに「今回、初めてそうした症例を知った選手、指導者の方もいる。U-12世代を入り口として選手、保護者、指導者に事実を知ってもらうことも(健診の)趣旨の1つ」と話す。

 その上で「代表から草の根みたいに広がって、いろんなところでやってもらえればと思う」と代表で実施された検査、そこで知った選手の将来を脅かす故障の存在が各チームへと伝わり、さらに下の世代を含めた野球界で同様の健診がなされる。それが理想の形だ。

 少子化で野球の競技人口減少へ警鐘が鳴らされているが、即効性のある解決策はない。ならば競技者の健康を守り、その先の道を閉ざさないことは、現状で最も重要な対策と言えるだろう。侍ジャパンの取り組みは“将来の代表強化策”として大きな意義がある。

 今後はU-15、U-18、大学代表、社会人代表、女子代表の合宿でも実施され、診断結果データは野球界の障害予防のために活用されていく。野球界の未来へ。そうした代表からの発信が、広く浸透していくことを願いたい。(デイリースポーツ・中田康博)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

ランキング

主要ニュース

リアルタイムランキング

写真

話題の写真ランキング

注目トピックス