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【野球】山田&村上に続き長岡&内山壮ら ヤクルト高卒野手の台頭 根底に「野村の教え」

 ヤクルト長岡(左)、内山壮
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 交流戦完全優勝を果たし、セ・リーグ首位を独走中のヤクルト。その強さの背景には高卒野手の台頭がある。開幕から遊撃で先発出場を続ける長岡秀樹内野手(20)は高卒3年目、2番手捕手の内山壮真捕手(19)は同2年目…。村上や山田らに次ぐニューヒーロー候補を、高津監督も「ヤングスワローズ」と呼ぶ。球団に根付く「育成」の根底には、元監督の故・野村克也氏の教えがあった。小川淳司GM(64)の証言を基に、ひもとく。

  ◇  ◇

 どんどん台頭する若手が、常勝軍団としての新しい風を吹かす。交流戦MVPに輝いた22歳・村上に、12日のソフトバンク戦で決勝適時打を放った20歳・長岡。高卒野手がレギュラーとして大暴れするところが、今のヤクルトの強さだ。

 振り返れば、2015年に球団の方針が定まった。「高校生を獲得して、強化&育成をしていこう」。同年に14年ぶりのリーグ優勝を果たした直後の決定。連覇も狙える中、即戦力補強ではなく育成の道を選んだ背景を、小川GMが明かした。

 「優勝したからこそ、先を見据えるということを含めた考え方になっていたのかなと。将来的なことも考えの中に入ってきたと思う」

 目指したのは常勝チーム。15年から主力だった中村、山田に続き、村上が4番として成長した。今季の最たる例は高卒3年目の長岡だろう。入団から2年間の多くを2軍で過ごし、じっくりと育成。2軍で規定打席に到達し、出続けることの難しさを経験してきた。

 ヤクルトでは、育成会議と育成ミーティングを分けて方向性を探る。若手選手にはそれぞれ「打席数の設定」を設けており、長岡の場合は1年目の20年に268打席、21年に302打席。小川GMは「練習も大事だけど、野手は試合に出ることが大事」と話すように、実戦で長所を伸ばし、短所は克服した。

 ただ、長岡の場合は最初から順調ではなかったという。八千代松陰から19年ドラフト5位で入団。その時点での評価は「体力的にはまだこれからの選手」。高校時代は2時間の練習しかできなかったといい、それを度外視した育成プランを組めば、「彼の野球人生は体が壊れてしまう」と慎重に計画を立てた。

 毎日続けること、試合に出続けることが最も難しいプロの世界。2軍では土橋コーチ(20年は2軍内野守備走塁コーチ、21年は育成チーフコーチ)がつきっきりで指導し、2年間で1軍での出場機会にも恵まれた。

 育成における最大のテーマは「我慢」だ。1軍に定着すれば、多少の不振でも使い続ける。村上は2年目の19年に184三振を喫してプロの壁にぶつかったが、当時の小川監督は全143試合に起用。今季の長岡も最長4試合連続で無安打など、苦しむ時期もあった。それでも、高津監督は先発メンバーに名前を書き続けた。

 「ちょっとバットが振れない時期があったんですけど、そんなにこちらは結果を気にしているわけではなくて。しっかりスイングができてるうちは、どんなに打てなくても外さないでおこうと」

 今季開幕スタメンで抜てきされて以降、長岡は先発を外れたことがない。この辛抱強い起用にも、育成のヒントが隠されていた。

 長岡以外にも内山壮、浜田ら高卒野手が1軍でしのぎを削っている。小川GMは思い返していた。「野村監督が言う『監督は人を残す』という言葉があってね。それはいろいろな捉え方があると思う」。監督や首脳陣から見る視点に加え、フロントから見る視点。ヤクルト球団の未来のために「人を残す」。育成の根底には「野村の教え」が深く根付いている。(デイリースポーツ・松井美里)

 ◆長岡秀樹(ながおか ひでき)2001年9月26日生まれ、20歳。千葉県出身。174センチ、74キロ。右投げ左打ち。内野手。八千代松陰から19年度ドラフト5位でヤクルト入団。1年目の20年10月23日・中日戦で初出場初先発(7番・二塁)。今季は3月25日の阪神との開幕戦で「6番・遊撃」でスタメン出場。ここまで全62試合で先発出場し打率.240、2本塁打、26打点。

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