【野球】原巨人の再浮上にカギは、吉川の復帰と中田翔の復調だけでは不十分。やはり待たれるのは坂本の復帰。

 原巨人の再浮上にカギは、吉川尚輝(27)の復帰と中田翔(33)の復調だけでは不十分。やはり待たれる坂本勇人(33)の復帰だ。

 肩甲骨の骨挫傷で離脱中の吉川が17日の広島戦(宇都宮)から1軍に昇格するという。4日の広島戦(マツダ)で左肩甲骨付近に死球を受けて負傷交代。6日に出場選手登録を抹消されたが、現在打率・341でセ・リーグ首位打者の吉川が離脱してからチームは9戦3勝6敗と大きく負け越している。得点力も低下し、ここ9試合の1試合の得点平均は3点。それに対し失点の平均は5・22。これでは苦戦が続いているのも仕方がない。

 吉川は、打撃面だけはなく守備の面でも大きなプラスになるのは間違いない。吉川の代役として出場している広岡大志(25)の守備にやや不安があるからだ。広岡は14日の中日戦(東京ドーム)では7番・二塁で先発出場したが、守備機会でのミスが目立ち、三回の守備からベンチに下がった。

 野球では守備面でキャッチャー、セカンド、ショート、センターのセンターラインが重要視される。だが、現在の巨人ではそのセンターラインが完璧ではない。開幕から出場し続けているのは、センターの丸佳浩(33)だけだろう。正捕手の座には大城卓三(29)が就いているが、まだ全幅の信頼は置かれていない。15日の中日戦(東京ドーム)では先発高橋優貴(26)の乱調もあり、大城も二回途中で交代を命じられているからだ。

 チーム内に明るい材料もある。2軍で調整していた中田翔は10日のDeNA戦(新潟)で1軍に復帰して以来、5試合で打率こそ・250だが、2本塁打、7打点。それなりに存在感を発揮し始めている。また、右ひじの違和感を訴えていたエース菅野智之が12日のDeNA戦(横浜)では今季4勝目を挙げた。抑えの大勢(22)も好調を維持している。 だが、先発、中継ぎ陣もスタートダッシュを決めたときほどの勢いはない。そう考えると、チームのカンフル剤となるのは、攻守の大黒柱で主将・坂本の復帰しかない。坂本は4月30日の阪神戦(東京ドーム)で右膝内側側副じん帯を負傷して途中交代。5月1日に出場選手登録を抹消された。

 それでも10日にティー打撃などを再開し、復帰に向けた調整を開始した。現段階では詳しい復帰時期は未定だろうが、過去ショートのポジションでゴールデングラブ賞5回に輝いている守備の名手が戻ってくれば、センターラインがしまってくる。もちろん、首位打者1回、最高出塁率1回、最多安打1回などのタイトルを獲得しているその打撃面でのプラスも大きい。また、チームが低迷する時期には、8連続で主将を務めたそのキャプテンシーも欠かせない。

 今は我慢の巨人だが、坂本の復帰とともに反転攻勢が開始される。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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