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【競馬】デビュー2年目、さらに進化を目指す小沢大仁騎手

 21年に31勝を挙げ、最多勝利新人騎手に輝いた小沢大仁騎手(19)=栗東・松永昌。さらなる飛躍を期して挑んだデビュー2年目の今年も、ここまで12勝(5月1日終了現在)と順調に勝ち星を積み重ねている。しかし、本人は成長を実感しつつも、同時に物足りなさも感じているようだ。率直な心境を語ってもらった。

 小沢は調教で多くの馬に乗り精力的にケイコをつける。1日に6頭に騎乗するというのも珍しくない。スキルアップはもとより、それぞれの馬の特徴や癖を肌身で把握し、持ち味を出せるようにレースに備える。この姿勢が人気薄での激走につながり、3月19日の阪神12Rでは、16頭立て14番人気のセイレーンをVに導いた。単勝は2万4950円の高配当だった。

 「小さい馬で軽い馬場が合っていて、道中もソツなく回れて直線も伸びてくれた。気持ちで走るタイプで、この時は返し馬から気持ちが乗っていたので、いけるかなと思いました」と会心の騎乗を振り返ると、自然と笑みがこぼれた。

 ここまで今年の単勝回収率は180パーセント。ダートに絞れば、295パーセントと破格の数字で『令和の穴男』といってもいい。「そうなりたいですね。人気のない馬でも、着順を上げられるようにしたいと常に思っています。もちろん勝つことが大前提ですが、人気以上の着順に持ってくることを心掛けています」。まっすぐな瞳で語った。

 3月には高松宮記念で初めてG1の舞台も経験。18番人気のダイメイフジに騎乗して18着に終わったものの、貴重な経験は自信につながったはずだ。「去年と比べて、レースでも周りを見られるようになりました。ペースを読むということも意識していますし、自分でも落ち着きが出てきてた気はします」と胸を張る。

 ただ、現状には少しも満足していないのが本音だ。12勝という勝ち星についても、「同期の成績を見ていると、まだまだ頑張らないといけない」と全く納得していない。同期の松本大輝は16勝、横山琉人が14勝、角田大和も12勝をマーク。2年目で数字を伸ばしてきている。何よりも小沢自身が勝率、連対率、複勝率で昨年を下回っており、中身に関しても満足できる状況ではない。「悩みはいっぱいあります。悩みしかないです。もっともっと、うまく乗りたい。もっと着順を上げられなかったかなとか、道中にこうしておけばよかったとか。レース後はパトロールビデオを何度も見て反省しますね。馬の力を出し切って悔いのないレースがあまりできていないです」と唇をかむ。

 ただ、もがきながらも、ひたむきにチャレンジし続けられるのが小沢の強みだろう。「馬に負担をかけず、自分から動かせるような乗り方」を追求するため、継続的に動作解析の個人トレーナーから指導を受けている。「日々、どこで走っていても、隣を走っている馬には勝てるようにしたいと思っています。とにかくひとつでも着順を上げるために、地道にやっていくしかないです」とレベルアップへ妥協するつもりはない。

 師匠の松永昌師は、そんな姿を温かく見守る。「最後まであきらめないで乗っている。しっかり追っているし、最近はレースでも落ち着いている。あんまり走る馬に乗せてあげられないけど、本当に頑張っていると思う。他の厩舎の馬に乗っていても、ほとんどのレースを見ている。ここぞという時には厳しく怒るけどね。でも、最初から真面目な子で、そこは全然変わっていない。このままいったら、いいんちゃうの」。いつも間近で接しているからこそ分かる弟子の努力。1人前になるために、サポートは惜しまない。

 最後に今年の目標を小沢に聞いてみると、「去年の僕以上の成績は出したい」とキッパリ。「減量の特典が取れてからがスタートというか、勝負だと思っています。今はそれまでの準備期間。だからこそ、成績を残さないといけない。いずれはリーディングを取れるような騎手になりたいと思っていますから」。小沢を突き動かすのは、果てしない向上心。頂点を目指す若武者は、立ち止まることなく歩み続ける。(デイリースポーツ・島田敬将)

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