【野球】巨人・大勢にかかる期待 セ初のMVP&新人王の快挙なるか

 「ひよこちゃん」大勢(22)には、史上3人目、セ・リーグでは初のMVP&新人王の快挙を達成してほしい。

 巨人のドラフト1位・大勢の勢いが止まらない。20日に行われた広島(東京ドーム)との首位攻防戦でも危なげない投球で11セーブ目を挙げた。試合後、原辰徳監督(63)は、いまだセーブ機会で失敗のないルーキー守護神に対し「できたてほやほやのね、まだまだひよこちゃんよ」と話したが、その安定感には目を細めているだろう。

 このままの勢いを維持すれば当然、新人王やセーブ王のタイトルは射程内に入る。だが、V奪回に貢献すればセ・リーグの最高殊勲選手(MVP)にも輝くことは決して夢物語ではないだろう。新人王とMVPのダブルタイトルに輝いた選手は、長いプロ野球の歴史でも2人しかいない。1人目は日本ハムの木田勇で、1980年のルーキーイヤーに22勝8敗4セーブ、防御率2・28、勝率・733の好成績で、最多勝、最優秀防御率、最高勝率と当時の投手三冠タイトル独占。史上初めて新人選手としてMVPも受賞した。

 また、90年には近鉄(現オリックス)の野茂英雄が、新人ながら18勝8敗、防御率2・91、勝率・6892、287奪三振で最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振、最高勝率と投手四冠を独占し、MVP&新人王に加え沢村賞にも輝いた。だが、2人ともパ・リーグに在籍した選手で、セ・リーグではMVP&新人王を同時に受賞した選手はだれもいない。

 巨人では上原浩治がルーキーイヤーの99年、20勝4敗、防御率2・09、勝率・833、179奪三振で投手四冠を制し、新人王、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、そして沢村賞も受けた。だが、MVPは19勝7敗で中日のリーグ優勝に貢献した野口茂樹にさらわれている。

 昨季、MLBではエンゼルスの大谷翔平(27)が二刀流で活躍し、チーム成績とは関係なくMVPに輝いた。日本のプロ野球の場合、圧倒的に優勝したチームの選手が受賞するケースが多いのが現状である。現在、巨人はペナントレースで首位を争っている。シーズンは長いだけに、このまま好調を維持できる保証はない。必ず浮き沈みがでてくる。また、坂本勇人(33)、岡本和真(25)、丸佳浩(33)らの主力打者が活躍してペナントを奪回すれば彼らをMVPに推す声も大きくなるだろう。

 だが、今後も試合を締めくくる守護神・大勢の存在がなければ、チームは勝ち星を積み上げていくことは難しい。まだ先の長い話だが、それだけ大勢の活躍が目立っているということだ。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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