【野球】日本ハム“新庄監督の教え” 「野村ノート」受け継ぐ名将の系譜か
日本ハム・新庄剛志監督が19日、春季キャンプへ向け、自身の野球理論を記した“新庄の教え”テキストの作成を発表した。ボリュームは80ページ近くに及び、キャンプ最初のミーティングで選手、関係者に配布してビッグボス流の野球を浸透させるという。出版される予定はなく中身は非公開というが、どういう内容なのか興味深い。
野球の理論本、キャンプでの講義といえば、新庄が師と仰ぐ野村克也さんとイメージがかぶる。選手で26年、兼任を含め監督で24年のキャリアを持つ野村さんは自身が追求した野球理論を「野村ノート」としてまとめ、キャンプ中にミーティングで選手たちに野球理論をたたき込んだ。もちろん新庄監督も、野村野球をたたき込まれた1人だ。
05年には書籍化され、25万部の大ベストセラーに。野球を志す者にとってバイブルとなった。プロ新入団選手が入寮時に持ち込む例も多い。06年2月には「巨人軍論」を出版し、こちらも20万部以上のベストセラーになった。
きめ細かい指導は選手に対してだけではない。05年12月に楽天の新監督になると、就任会見後にいきなりコーチミーティング。お手製の“コーチ版、野村ノート”を配布して熱弁を振るうパワフルぶりだった。
全コーチを前に自身で書きつづった「コーチへの提言」と題された10枚のプリントを配布。“指導者用、野村の考え”をテキストに、延々1時間20分も講義を続けた。「コーチとはどうあるべきか、事細かに注文しました」と話していた。
新庄監督も就任直後から選手、スタッフへ意識改革を呼びかけてきた。独自の感性でつづった“新庄の教え”は、形を変えても野村野球のエッセンスをしっかりと受け継いでいるのだろう。(デイリースポーツ記録室)