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【芸能】星野源、佐久間氏の配信が盛況 ラジオ配信イベントの今 売れないは「過小評価」

 ニッポン放送がラジオの枠に収まらないイベントを成功させている。9月に行われたミュージシャン、俳優の星野源による配信イベント、11月に行われたテレビプロデューサー・佐久間宣行氏のイベントなどは“配信でも”大盛況だった。こうした試みには、どのような狙いがあるのか。元オールナイトニッポンのチーフディレクターで、現在は同局のエンターテインメント開発部でイベントのプロデュースに携わっている石井玄(いしいひかる)さんに話を聞いた。

 ニッポン放送によると、2021年に行われた番組イベントの中では、1月に行われた「佐久間宣行のオールナイトニッポン0リスナー小感謝祭2021~Believe」が約1万7000枚、9月の「星野源のオールナイトニッポン リスナー大感謝パーティー」が約3万7000枚、11月には「佐久間宣行のオールナイトニッポン0 リスナー大感謝祭2021~freedom fanfare~」が現地チケット5000枚、配信で約1万4000枚を売り上げた。ただ、イベントが好況で石井さんはホクホク顔か、といわれると、そんなことはなかった。

 「(業界として)厳しい状況はずっと僕が入社する前から言われていることで」

 全国を見回すと経営が厳しいラジオ局があることも踏まえながら、「給料とかギャラを稼がないと、(業界が)終わっていっちゃうなっていう危機感はすごくあって。そのためには今までやってたことをただ続けるだけじゃだめだっていうのが明確に分かっているから、新しいことをやらないと、それが(イベントなどを)広げる作業につながっていて。配信でイベントやってみようとか、番組グッズをやってみようとか、ファンクラブつくってみようとか」と試行錯誤していると明かした。

 だから、ラジオ番組とイベントは「地続き」なのだという。「佐久間さんだったら本多劇場でやって、いつか武道館、横アリ(横浜アリーナ)で、みたいな話があるから、じゃあ次は(東京国際)フォーラムですね、みたいな」。佐久間宣行氏は番組開始からわずか半年で、本多劇場でのイベントを開催。そして、本来は今年1月に東京国際フォーラムでイベントを行う予定だったが、コロナ禍で中止を余儀なくされた。さらに水溜りボンド、ナインティナインのイベントも中止になり、このままでは大幅な赤字になってしまう。何とかできないかとひねり出した案が配信イベントだった。

 中止になったイベントのうち、佐久間氏はトークが中心の企画で、比較的、切り替えやすかった。すぐに交渉に入ることもできて「やろう」と一致。番組内で佐久間氏が懸命に呼びかけ、リスナーはそれに応え、配信チケットは売れた。

 「中止になった流れだったりストーリーが大事だったんですけど、そこで初めてに近かったです。ニッポン放送の現場で、配信って『こんなに見てもらえるんだ、楽しんでもらえるんだ』というのは」

 それまでは、ニッポン放送社内では「配信は売れないだろう」という認識だったのだという。「オールナイトニッポン0」のように、すでに放送と同時に無料で動画を配信している番組もあり、イベントはあくまでも観客を集めた形で収益化を探る、というスタイルだった。

 石井さんは「佐久間さんは有観客と配信、両方やったんですけど、来た人は来た人ですごい熱狂して帰って行ったので、これがベースだよなというのは思ってはいます」と、配信イベントだけを重視するつもりはないという。だが、“売れた”ことは「コンテンツとしてラジオってすごく強いものになっているんだなと感じた瞬間ですね」と手応えにもつながった。

 「すごい発見だったと思います。机と椅子を置いてしゃべっているだけですから。そこにお金出すの?みたいな考え方は、僕らが過小評価をしているんだと思います。ラジオ自体を」

 ニッポン放送の社風として、「行けそうだよね」と感じたものにはゴーサインを出してみる、というものがあるという。収益ありき、ではなく、コロナ禍でも、どうにか面白いものができないか、ともがくことがスタート。石井さんは「面白そうだからやってみて、リスナーも面白そうと思ってくれたらいいな、っていうのがスタートなので。その上で、マネタイズできたら素晴らしいよねと、後からついてくるものかなと思っていますね」と語った。(デイリースポーツ・広川継)

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