【芸能】愛好家増加 打楽器カホンの祭典「HAKO FES 2021」開催へ
近年、日本でも奏者や愛好家が増えている打楽器「カホン」の祭典「HAKO FES(ハコフェス) 2021」が今月20日、東京・渋谷のduo MUSIC EXCHANGEで開催される。一線級のカホン奏者であり、ハコフェスを主催する村岡広司(46)に、カホンという楽器と「ハコフェス」について聞いた。
カホンの見た目は、四角い箱状だ。基本的に木製で中は空洞。正面の打面の裏にギターの弦が張ってあって、ビリビリとした特徴のある音を出す。アフリカ発祥とされ、ペルーなどで楽器として扱われ出し、フラメンコに使われるなどして世界に広まっていった。
村岡はカホンの魅力を次のように説く。
「ドラムより取っつきやすい。たたけば鳴ってくれるので、一般の方が始めやすい。ドラムより音量は小さいですが、その分、他の楽器の良さを引き出すのに適しています。木でできているので音が温かく、他の楽器になじみやすく合わせやすい。マイクを使えば音量は大きくなりますし、ちゃんと低音も高音も鳴っています」
村岡自身、もとはエレキベースを弾いていたが、カホンの魅力あらがいがたく転向。自分が演奏するだけでなく「色んなカホンの演奏をフィーチャーして、色んな面白さを伝えるようなイベントをしたい」と、13年にハコフェスを立ち上げた。
初年度は20人のカホン奏者が参加して渋谷の小さなライブハウスで始まり、15年には東京を代表するライブハウスの一つ「duo-」に進出した。16年に大阪で初開催すると日本にハコフェスの輪を広げていき、今年は北海道から九州まで14都道府県15公演の規模に拡大。遠征する奏者に地元の奏者、ゲストミュージシャンが加わり、地域色も豊かだ。
イベントではカホン演奏だけでなく、ゲストミュージシャンとのセッションや、カホンメーカーの職人とのトークなどが行われる。コロナ禍以前は観客も参加しての大セッションなども行っていた。
今年は村岡らカホン奏者30人、日本を代表するパーカッショニストであるASA-CHANGらゲストミュージシャン11人、カホンメーカー2社とシンバルメーカー1社が参加。2ステージ、6時間に及ぶイベントで、配信も行われる。
村岡は「色んな面でカホンの楽しさ、魅力を伝えたい」と意気込む。今後も「その地域その地域で面白い方向のハコフェスを開催していって、カホンの良さがたくさんの人に広がれば。色んな可能性があると思います」と、カホン伝道に尽力していく構えだ。
(デイリースポーツ・藤沢浩之)