【野球】ロッテ2軍 チームを飛躍させた鳥越2軍監督の育成方針とは
ロッテ2軍が、大きな飛躍を遂げた。9日のファーム日本選手権では日本一こそ逃したが、イースタン・リーグで60勝42敗6分。シーズン中、イースタン14連勝を果たすなど、ぶっちぎりで優勝した。若手の成長へとつなげた鳥越2軍監督の選手育成法は-。
指導法について、鳥越監督はこう言う。「選手への声かけは常に意識していますよ。練習にしろ、いい時間を提供しようと思ってもそこに本人の意志が加わらないといい時間にならない。そういう意味で選手の動きをしっかり見るようにしていますね。細かいところまで」。球場入りの姿や、食堂や風呂場での会話などから醸し出す雰囲気や状態をくまなくチェックし、気づいたときは言葉をかけ、選手への成長へとつなげてきた。
鳥越監督の指導者の礎となっているのは、恩師の言葉。大分・臼杵高の先輩で、和田博実氏(元西鉄捕手・西武・2軍監督)からは現役引退後、指導者になるにあたり「選手の努力は見逃すな」と激励された。言葉は心に刻まれ、指導には生かしている。
また、ある先輩から伝え聞いた根本陸夫氏の教えも大事にしている。根本氏といえば、西武、ダイエーなどで常勝軍団を築いた恩師でもある。「ある先輩からの伝聞なんだけど『野球なんてどうでもいいんです。要は人間形成の場なんです』と根本さんが言ってたのを聞いたんだけど、今、こうしてその通りだなと思っている。人間力が野球にでるんだなと」。
今季に目を向けると、育成の森遼大朗はリーグトップの10勝を挙げ最多勝利。育成の小沼健太もリーグ最多18セーブと飛躍へとつなげた。日本選手権で優秀選手賞を受賞した森は「監督、コーチ、僕に関わっていただいた全ての人に感謝したい」と周囲への思いを口にした。技術だけでなく、人としての成長もあり、今年の結果につながっていることを忘れてはならない。(デイリースポーツ・水足丈夫)