【競馬】蛯名正義調教師が開業に向けて準備着々

 惜しまれた引退からはや5カ月。現役騎手時代とまるで変わらないスリムないでたちで、蛯名正義調教師(52)が函館競馬場を精力的に歩き回っていた。「ジョッキー時代とスタイルが変わってないって?今はそれを目標にしているからね。アブローラー(腹筋を鍛える健康器具)を買って毎日やっているんだ」。今年2月に34年間の騎手生活に別れを告げ、調教師に転身。今は開業までの準備期間として、技術調教師として藤沢和雄調教師(69)=美浦=のもとに師事している。

 「調教師試験を受ける時からずっと面倒を見てもらっているし、(定年を迎える)来年2月には藤沢先生を見られなくなるんだから。最後まで多くのことを吸収できればと思っている」。平日はトレセンなどで調教を見届け、週末は競馬場で業務を手伝う毎日。意外なことに、調教で馬にまたがる姿はほとんど見なくなった。「テキ(藤沢和師)から“馬に乗るな”って言われているから。開業したらそうは言っていられないかもしれないけどね。開業したらスタッフの足を引っ張らないように頑張るよ」と、JRA通算2541勝の名手は気を引き締める。

 来年3月に開業する“蛯名正厩舎”はどんなカラーになるのだろうか-。「仕事は楽しくできないと駄目。力を抜いていい仕事ができるような環境をつくれたらいいね。今までと立場が違うから、最初はうまくいかないかもしれないけど、早く軌道に乗れるようにしたいね」と前を見据えた。

 ジョッキー時代に果たせなかったダービー制覇か、はやまた日本のホースマン悲願の凱旋門賞制覇か-。トレーナーとしてどんなドラマを見せてくれるのか、準備期間の今から楽しみでならない。(デイリースポーツ・刀根善郎)

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