【野球】野球場にブラスバンド 高校野球の地方大会で応援復活の兆し

 全国各地で高校野球の地方大会が本格的に始まっている。コロナ禍で昨夏の甲子園が中止となったため、2年ぶりに聖地を懸けた戦いとなる今夏。49地区の大会で“ウィズ・コロナ”の対策がされる中、ブラスバンドによる応援が戻ってきた地域もある。

 秋田県高野連は6月下旬に、日本高野連のガイドラインに準拠しての吹奏楽による応援を認めることを決定した。「ここまで来るのにいろいろ役員の意見を聞きながら、話をしながらやってきました」と同連盟・久米信彦理事長。ブラスバンドは50人以内を目安にスタンドで音色を奏でている。

 県内の新型コロナウイルスへの不安意識は高いが、14日の3回戦からは一般客の入場も始まった。この日の第1試合には、平日ながら約400人が有料チケットを買って観戦。「大変ありがたい」と感謝しつつ、久米理事長は大会運営へ気を引き締めた。

 “有観客開幕戦”を戦ったノースアジア大明桜は11日の初戦から700人ほどの全校応援で選手をもり立てている。6月下旬から急ピッチで練習。“密”とならないよう、学年ごとに分かれて野球部や吹奏楽部が指導役として大会に臨んだ。

 同校の広報部主任・鈴木颯教諭が「全校生徒も教職員も合わせて熱い気持ちになっているかなと思います」と明かすように、選手のみならず学校全体で2年ぶりの一体感をかみしめている。輿石重弘監督も「力になりますね」と応援のサポートを歓迎した。

 静岡県高野連も県独自の新型コロナウイルス警戒レベルに応じて応援団の入場を判断している。日大三島・永田裕治監督の新天地での夏初勝利となった10日の試合では、スタンドからチアリーディングを含めた応援が後押し。就任2年目の指揮官も「こんな応援が来るのは、(過去を振り返っても)初めて。すごい協力的なので、ビックリしています」と喜んだ。

 夏の甲子園においても日本高野連は、観客の有無も含めて地方大会での例や感染状況を見極めながら判断していくことを明かしている。「去年の思いも受け止めながらできる限りの準備をしていきたい」と同連盟・小倉好正事務局長。一歩ずつ、スタンドの風景が戻っていくことに期待したい。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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