【野球】佐藤輝の存在感 藤浪の可能性 阪神が交流戦で体現した「全員でやる野球」

田中将から右越えに16号ソロを放つ佐藤輝
藤浪晋太郎
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 阪神が11勝7敗の2位で交流戦をフィニッシュした。2017年以来、4年ぶりの勝ち越し。猛者が集うパ・リーグとの戦いを6連勝締めで終えた選手に対し、矢野監督は「誰か一人がやってできる野球じゃないんで。挑戦したり、超積極的にいくとか、諦めないとか。そういうものがこの交流戦でも出せたのかなと思います」と成長を感じ取っていた。

 最も存在感を示したのはドラフト1位・佐藤輝(近大)だろう。全18試合に出場して交流戦の新人最多記録を更新する6本塁打に、同最多タイの12打点。1試合4三振と試練に直面することもあったが、パとの戦いでまた一回り大きくなった。

 5月28日・西武戦(メットライフドーム)。新人で1958年の長嶋茂雄(巨人)以来、史上3人目の1試合3本塁打をマークした。6月12日・楽天戦(楽天生命パーク)では、日米通算179勝を誇る田中将から右翼席へ16号ソロ。記録にも、記憶にも残る活躍で矢野虎をけん引した。

 また、交流戦期間中に“新戦力”を見いだせたことも大きな財産と言える。岩崎が蓄積疲労を考慮されて今月4日に出場選手登録を抹消され、代わりに2軍調整を続けていた藤浪が1軍に昇格。今年の開幕投手を務めた剛腕はブルペン陣に加わり、可能性を示した。

 10日・日本ハム戦(札幌ドーム)。2年リードの八回に救援登板した藤浪は1イニングを無安打無失点に抑え、セットアッパーの役割を果たした。最速160キロの直球に150キロのスプリット。13日・楽天戦(楽天生命パーク)で痛恨の同点弾を食らったが、今後に向けて希望の光が差す5試合の登板だった。

 交流戦盗塁王最有力の同6位・中野(三菱自動車岡崎)や、マルテ&サンズの両助っ人。球団新記録となる12試合連続セーブをマークし、九回に君臨する守護神・スアレスの活躍も見逃せない。先発の秋山はパ・リーグ相手に3連勝。開幕ダッシュに成功した勢いそのままに、矢野監督が常々言う「全員でやる野球」を体現できた。

 もちろんセ・リーグ首位の座は不動で、2位・巨人とのゲーム差は「7」。リーグ戦は18日の伝統の一戦(甲子園)から再開する。

(デイリースポーツ・中野雄太)

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