【スポーツ】19歳の女性リングアナ・紗希が日本一目指し奮闘 ツテなし、公募でデビュー

 夢は日本一のリングアナ!19歳の女性リングアナウンサー・紗希がプロレス界で注目を集めている。高校生時代にリングアナデビューしてから今年5月で4年を迎えるが、彼女の挑戦はまだ始まったばりだ。

 「赤コーナー、PURE-J認定無差別級チャンピオン、百獣の王・Leon、青オーナー、ご機嫌レスラー・米山香織」-。若々しい声が、会場中に響き渡る。3月20日、東京・板橋グリーンホールで行われたPURE-J認定無差別選手権。堂々たる試合開始のコールしたのは、16歳でリングアナデビューを果たした女の子だった。

 都内にある高校に在籍していた普通の高校生だった。元々、プロレス好きの家族に連れられ、いろいろな団体の試合を観戦していた。そしてある日、「フリーダム」という団体の試合会場に足を運んだ彼女の目にとまったのは、女性リングアナの存在だった。「たまたま、その時のリングアナが女性の方だったんですが“かっこいいなぁ”と思いました。それでリングアナになりたいと思うようになったんです」と、“運命の日”を振り返る。

 リングアナになる手段も分からなければ、ツテもなかった。ところが、当時、女子プロレス界で最古の歴史を誇っていたJWP女子プロレスから選手会が独立。PURE-J女子プロレスという団体を設立し2017年5月6日に旗揚げ興行をすることが発表された。それに伴い“覆面社長”コマンド・ボリショイ社長(年齢非公表)は新たに「選手だけではなく、女性のリングアナも育ててみたい」と公募を決定。そして、オーディションの結果、見習いリングアナとして採用されたのが紗希だった。

 昨年3月に高校を卒業するまでは学業との両立の毎日。フリーアナウンサーで、女子プロレス界では有名な伊藤こーへー(52)に師事しながら、コールのタイミングなどリングアナとして必要なスキルを磨き、今ではほとんどの仕事をこなせるようになった。最近では音響の勉強も始め、裏方として試合の運営に携われるようになってきた。

 また、昨年10月10日に開局したばかりの「鳥越アズーリFM」で、毎週木曜日の19時から「リングアナ紗希のPURE-J仏恥義理夜愛(ぶっちぎり・ないと)」という番組のパーソナリティーも努め、しゃべりに磨きをかけている。

 新型コロナウイルス感染症拡大に影響で、プロレス興行は減り、開催されても人数制限もある。新日本プロレスを支えた田中ケロ(62)などレジェンド級のリングアナとは違い、正直、リングアナだけで生活していくにはまだまだ厳しいが、なんたって19歳。「とにかく今は日本一のリングアナウンサーになれるように頑張ります」と夢を限りなく膨らませていく。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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