【スポーツ】長谷川穂積氏のオンラインボクシングに見たコロナ禍の子どもたちのたくましさ

 本紙ボクシング評論家で、元世界3階級制覇王者の長谷川穂積氏(40)が6日、東京都港区が主催するオンラインによるスポーツ教室で講師を務めた。区内在住、在学の小学生計60人を募集し、それぞれが親やきょうだいと一緒に「Zoom」で自宅から参加した。驚いたのは小学生の子どもたちのリモートへの適応力だ。

 長谷川氏はまず、基礎体力を上げるトレーニングを指導。その後、ジャブ、ストレートなどボクシングの基本動作、ボクシングの動きを取り入れた体幹トレーニングも紹介した。

 記者が取材した小学1、2年生の部では、子どもたちが最初から抵抗なく画面に向かって手を振り、リラックスムード。長谷川氏が見せるお手本をすぐに理解し、かなり複雑な動きのものも臆することなく次々とやって見せた。

 長谷川氏も現場のモニターで一人一人の動きをチェック。名前を呼びかけて「〇〇君、もっと足を上げて」「〇〇ちゃん、うまいよ」などと呼びかけ、コミュニケーションをとった。

 また、質問コーナーでは「足が速くなるには?」「強くなるには?」「何歳からボクシングを始めた?」など、予定時間に収まらないほど次々と質問が飛びだした。「井上尚弥選手とどちらが強い?」という質問には、「たぶん現役時代なら自分が強いかもしれないけど、今は15秒くらいでやられてしまいます」とチャンプもタジタジだった。

 港区は東京五輪への機運を高めるため、元五輪選手などによるスポーツ教室を実施。今回は自宅で楽しめる競技として、オンラインでのボクシング教室を企画した。長谷川氏は神戸市内のジム「長谷川穂積フィットネス&ボクシング」を拠点に「おうちボクシング」として会員向けにオンラインジムを開いていることから、指導を依頼したという。

 長谷川氏は、子どもたちへのリモート指導に「不安もあったが、みんな一生懸命にやってくれて楽しくできた」と手応えを感じた様子。自宅で家族が見守る中でのオンライン教室は、子どもたちがよりリラックスしているように見えた。また、実際の教室のように大勢の中の一人ではなく、画面上で講師が自分に話しかけているように感じているのかもしれない。

 コロナ禍での苦肉の策にも何か可能性がある。そう思わせてくれた、子どもたちのたくましい笑顔だった。(デイリースポーツ・船曳陽子)

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