【スポーツ】渋野日向子に今、何が…示した復調のバロメータとは?

 女子ゴルフの渋野日向子(21)=サントリー=がようやく復調の兆しを見せている。今季国内ツアーは開幕戦のアースモンダミンで予選落ち。夏場の英米遠征も不本意な成績に終わり、帰国後第一戦の三菱電機も予選落ち。予選落ちがないTOTOレディースでようやく30位に入って今季国内初賞金をゲットすると、以後は伊藤園23位、大王製紙エリエール5位と徐々に結果を出してきている。今、渋野に何が起きているのか、本当に完全復調への階段を上り始めたのか。本紙木曜日付け「ゴルスペ」で「女子プロここがすごい」を好評連載中で渋野とも親交がある人気プロコーチの大西翔太氏が分析する。

 「日向子ちゃんの調子のバロメータは一にも二にもパッティングです。今年夏から秋にかけての海外遠征から帰国後に直接話した時には、パターの調子がイマイチなんですと言っていました。私がその後の国内戦を見た感じでは、パットを打ち切れていないなという印象でした。日向子ちゃんの持ち味は自分で決めたラインに対して打ち切れるということです。それができていないなと思いましたね」

 確かに渋野の武器はカップの反対側に当てて入れるような強いタッチのパッティング。昨年の全英女子オープンを制した最終ホールもそうだった。それが今季は影を潜め、素人目にも弱気なタッチが目立っていた。大西コーチはその渋野の持ち味が伊藤園から戻ってきていると見ている。

 「伊藤園の2日目に上がり2ホールで連続していいパットを決めたんです。ショートパットをしっかりと強めに打ってカップインできていました。それを見てしっかりストロークできるようになってきたな、インパクト前後でグリップが緩んでいたのがなくなってきたなと思いました」

 大西コーチは今の調子では予選通過にしても、結果が大事だと説く。

 「伊藤園の予選通過は自信になったと思います。調子を落とした女子プロにとって予選通過は薬になるんです。日向子ちゃんはパターが入らずに苦しんでいた間に新しい渋野日向子のパッテイングを作っていた感じがします。英米遠征から帰国当時はボールの転がりが軽い感じがしましたが、今は鉛のように重い感じになっていて、インパクト後に早めに順回転で転がっていきます。これはあくまでも私の感覚ですが、日向子ちゃんの最大の武器であるパットはかなり上向きです。最終戦は楽しみにしていいのではないでしょうか」

 今季は来年まで含めるので、例年は最終戦となるツアー選手権リコーカップは単に今年最後の試合となる。とはいえ節目の試合で渋野が復活ののろしをあげることができるか、がぜん目が離せなくなってきた。

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